設備の耐用年数を目安にリフォーム計画を立てよう!

この記事のざっくりとしたポイント
  1. 住宅にはこまめな点検・修繕と定期的な設備の更新やリフォームが必要
  2. 各設備の耐用年数と交換の目安、交換などにかかるおおよその費用
  3. 計画的にリフォームを実施することがおすすめ

住宅を長持ちさせるためには、こまめな点検・修繕と定期的な設備の更新やリフォームが必要になってきます。

計画的なリフォーム計画をたてることで資金の見通しもつきやすくなり、安心して住み続けることができるようになるでしょう。その際の目安となるのが設備の耐用年数です。

浜崎編集長

今回は住宅設備の耐用年数からリフォーム計画を立てるポイントについてご紹介します。設備によって修繕や更新の時のポイントとなる部分が異なりますので、しっかりおさえておきましょう。

耐用年数とは?

耐用年数というと、一般的には法定耐用年数を指すことが多いようです。

法定耐用年数とは、物を通常使用できる年数のことで、税法によって定められています。

MEMO

物の価値は少しずつ減っていくと考えられているために、税法上は物を購入したときにすべて経費として計上できるのではなく、決まった年数で少しずつ経費計上する決まりになっています。

電気設備、給排水設備、衛生設備、ガス設備など屋内設備の法定耐用年数は15年です。

もっとも、法定耐用年数は税務会計上定められた期間で、実際に設備が老朽化したり故障したりするまでの期間は設備によって異なるのが通常です。そのため、メーカーは「耐用年数」もしくは「耐久年数」として法定耐用年数とは別に使用期間を定めています。

リフォーム計画は、法定耐用年数の15年を一応の目安として、メーカーが定める耐久年数を参考にしながら立てるのが良いでしょう。

事務員

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各設備の耐用年数と交換時期の目安は?

各設備のメーカー耐用年数を過ぎたまま設備を使用していると、故障したときにサポートを受けられなかったり、すでに修理ができない状態になったりして、交換に多額の費用がかかることがあります。

また、特に電気設備は老朽化すると漏電の可能性があり、住宅自体への二次被害ともなりかねません。

後で取り返しがつかない事態にならないよう、余裕のあるうちに設備交換、リフォームの準備しておく必要があります。

それでは、各住宅設備の耐用年数と交換時期の目安をみていきましょう。

設備 耐用年数
システムキッチン 本体 10年~20年
ガスコンロ・IHクッキングヒーター 10年~15年
レンジフード・排水溝・その他 10年
ユニットバス 15年~20年
屋根・外壁塗装 10年~15年
外構 8年~15年

キッチンの耐用年数 

システムキッチンの耐用年数はおおむね10~20年程度です。

キッチンやシンクなど本体が壊れるということはあまりありませんが、内部の配管に不具合が生じて水漏れが起こったり、冬の寒い日には水道管が凍ったりと、水回りに関するトラブルがきっかけでキッチンリフォームを考える人が多いようです。

また、カビやほこりを放置した結果、シンクの下部が汚れたり腐食したりということもよく見られます。

ガスコンロ、IHクッキングヒーター、食洗器など、システムキッチンに埋め込まれている設備機器については10~15年が耐用年数です。

7~10年を過ぎるとメーカーの修理部品の保管期限が過ぎてしまうことがあるために、故障の場合は基本的に交換するか、システムキッチン自体をリフォームするという選択になるでしょう。

その他、レンジフード、排水管等の耐用年数はおおむね10年程度です。

汚れがひどくなると見た目にも悪いほか、悪臭の原因にもなります。日々の手入れを怠らないことはもちろんですが、清掃や排水のつまりについては専門業者に依頼したほうが良いかもしれません。

MEMO

リフォームの資金計画を立てる上では、あらかじめリフォーム費用の相場を知っておくことが大切になってきます。

標準グレードのシステムキッチンの場合のリフォーム費用 は、おおむね100万円から120万円程度です。

ハイグレードのものや、アイランドキッチンなど特殊なものについてはさらに追加費用がかかってきます。

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ユニットバスの耐用年数

ユニットバスの耐用年数は15~20年程度です。

ユニットバスはバスタブ自体が壊れることは少ないですが、追い炊きができない、排水の流れが悪い、換気がうまくできないなどの不具合に気づいたときには要注意です。

軽度の 不具合であれば、排水溝や排水管の清掃、追い炊き釜部分の清掃など部分的な改善で済みます。

しかし、浴槽全体に広がるしつこいカビ、ドア部分や排水部分のゴムパッキンの劣化や損傷、換気扇の異音や壊れが目立ってくるようならば、ユニットバス自体の交換を考えたほうがよいでしょう。

ユニットバスのリフォーム費用は、ユニットバスの大きさとグレードによって変わってきます。

MEMO

標準的なグレードならば工事費込みで70~90万円程度が目安となります。

屋根・外壁塗装の耐用年数 

屋根や外壁塗装の耐用年数はおおむね10~15年程度です。

リフォームというと内装や水回りの設備に目が行きがちですが、屋根や外壁も住宅の大切な一部分です。雨風にさらされている分、一旦痛みや劣化が発生するとその部分から損傷が広がっていきます。

注意

これを放置しておくと大規模な修繕が必要になることもありますので、早めのメンテナンスが必要です。

まず、屋根については、屋根材が痛まないうちに塗り替えをした方が良いでしょう。

耐久性は、塗料の素材によって変わり、アクリルやウレタン塗料は3~5年程度で次の塗り替えとなってしまうのに対して、フッ素や無機素材のものは10年前後の耐久力があります。費用は屋根の大きさによりますが、おおむね50万円前後です。

外壁塗装についても定期的な点検によってタイミングを計っていくのが良いでしょう。外壁に気泡が見られる、地震により小さなクラックが目立つようになってきた、コーキング(外壁と外壁の境目をパテで埋めてある部分)がひび割れているなどの症状がみられる場合には、一度専門家に診断を依頼して外壁塗装を検討すべきです。 

外壁塗装の工事費用は、外壁の面積や塗料のグレードによって異なりますが、60~100万円程度かかってきます。

安い塗料を使用すると劣化のスピードも速いため、長い目で見ると結局コストがかさむ結果になることもあります。

MEMO

実績のある専門業者に相談しながら工事内容を検討しましょう。

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外構の耐用年数 

外構とは、住宅の建物自体とは別に工事された、付属する構築物をいいます。例えば、コンクリート塀、駐車スペースの柱や屋根、庭のウッドデッキやテラスなどがこれに当たります。

外構部分の不具合はお隣さんとのトラブルの原因にもなりますので、不具合は早めに解消しておきたいものです。

外構の耐用年数は8~15年程度とされていますが、素材や設置場所などによって耐用年数が大きく異なります。

コンクリート塀は地震などで倒れない限りは修繕の必要はありませんが、フェンスは草木が絡まったり雨風に当たったりして劣化していきます。基本的にはフェンスごと撤去して取り換える工事になるでしょう。

ウッドデッキやテラスは、素材によっては早くに劣化や汚れが目立つようになります。

もっとも、交換や増設が比較的簡単にできるので、子供の成長に合わせてベンチを増設したり、家庭菜園を楽しめるようにしたりするなど、ライフスタイルに合わせて変化させるのも人気があります。

MEMO

外構工事のリフォームはどのような工事内容にするかで費用が異なってきますが、おおむね60~90万円ぐらいを目安にメニューを組み立てることが多いようです。

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設備の耐用年数を目安にリフォーム計画を立てよう

浜崎編集長

住宅の多くの設備は15年程度で寿命を迎えます。マンションと同じように一戸建てについても修繕計画は必要です。設備の耐用年数を参考に修繕計画を立てるとともに、修繕費用についてもコツコツ積み立てておくことをおすすめします。

設備の故障や不具合は、単に不便であるだけでなく、漏電による火災やお隣さんとのトラブルなどの二次被害に発展することもあります。

このようなトラブルを未然に避ける意味でも、リフォーム計画をしっかり立てておきましょう。