- マンションにはR,K,DK,LDKなど様々な間取りがある
- 今後の家族構成を想定した上で選ぶことが重要
- 「住みたい部屋」をあらかじめイメージしておくことがおすすめ
マンションを選ぶときに重要なのは間取りです。良い間取りのマンションを選ぶことで快適な暮らしに近づくことができます。しかしマンションの間取りには色々な種類があるので「自分に合った間取りが分からない」と思う人もいるでしょう。
そこで今回はマンションの間取りの用語や種類、選び方のポイントを解説していきます。
マンションの間取りとは?
マンションの間取りとは室内の居室の数や種類を端的に表したものです。間取りを図面化しているものを間取り図といい、部屋を決めるときには必ず確認する必要があります。
マンションは部屋の広さを「◯畳」と「◯平米」表す
マンションでは部屋の広さを「○畳」や「○平米」のように表します。1畳は畳1つ分の大きさのことです。1平米は「1メートル×1メートル」の大きさを表しています。また畳は「帖」と記載されることもありますが、内容や意味は変わりません。1畳の大きさは地域によって以下のように異なります。
- 京間(関西地方):1.82㎡
- 中京間(中部・北陸・東北地方):1.65㎡
- 江戸間(関東を主体として全国):1.55㎡
- 団地間(アパートやマンション):1.45㎡
何か…ややこしいですね。
一般的に不動産業界においては一畳1.62㎡(180cm×90cm)を基準としているよ。
マンションにはいくつか部屋のタイプがある
マンションの部屋タイプは以下のようにいくつか種類があります。
- R
- K
- DK
- LDK
- LDK+S
それぞれの意味を具体的に見ていきましょう。
1Rと1K
1Rと1Kは主に単身世帯向けのマンションの間取りとなっています。Rは「ルーム」、Kは「キッチン」を表しています。二つの違いはキッチンと居室が仕切られているかどうかという点です。つまり1Rは居室内にキッチンがあり、1Kは寝室とキッチンが分かれているということです。居室内にキッチンがあることを好ましく思うこと人は多くはありません。そのため一般的には1Rよりも1Kの方が好まれる傾向にあります。
部屋の間取りを見るときは1Kと1Rで部屋の広さに注意しましょう。たとえば居室の広さがどちらも同じ6畳の場合、1Kの方が広いです。なぜなら1Rはキッチンや廊下などを含めた部屋全体の大きさが6畳だからです。一方、1Kは居室の大きさだけで6畳ありキッチンや廊下などは含まれません。
このように、居室が同じ広さでも1R・1Kと間取りが違えば広さが違うので注意しましょう。
DKとLDK
次にDKとLDKの違いについて解説します。まずDKは「ダイニングキッチン」、LDKは「リビングダイニングキッチン」のことです。二つの違いは部屋の広さにあります。DKとLDKは最低限必要な広さの基準が下記の通り決められています。
- DK(部屋数1)・・4.5畳
- LDK(部屋数1)・・8畳
- DK(部屋数2以上)・・6畳
- LDK(部屋数2以上)・・10畳
たとえば洋室(寝室)が1部屋と、そのほかに1部屋あったとします。「そのほかの1部屋」がDKかLDKに当たります。上記に照らし合わせると「そのほかの部屋」が8畳以上あれば、1LDKと表記できるということです。一方、8畳未満だと1DKという表記になります。
簡単に言うとDKよりLDKの方が居室(寝室)以外の部屋が広いということだね。
LDK+S
部屋の種類の中にはLDK+Sと表記されている部屋があります「+S」とは「サービスルーム・納屋」のことをいい「+N(納屋)」と記載されるケースもあります。サービスルームは建築基準法上「居間」と呼べる必要な基準を満たしていない部屋のことを指します。
たとえば洋室が3部屋とLDKがあれば「3LDK」という表記になりますが、洋室3部屋のうち1部屋がサービスルームであれば、「2LDK+S」という表記になるということです。ただし基準を満たしていない場合でも、実際にはほかの居室と広さがほとんど変わらないというケースもあります。
たとえば「採光がない中部屋」などがサービスルームになりやすいよ。
部屋の呼称のまとめ
部屋の呼称をまとめると以下のとおりです。
- R・・ルーム
- K・・キッチン/li>
- DK・・ダイニングキッチン
- LDK・・リビングダイニングキッチン
- LDK+S・・リビングダイニングキッチン+サービスルーム
上述した「1Rと1K」のように、どの間取りを選ぶかによって部屋の広さが大きく変わってきます。そのため部屋を選ぶときは事前にどのくらいの部屋の広さに住みたいのかをイメージしておくことをおすすめします。なお、補足として下記の呼称もありますので紹介しておきます。
- WIC・・ウォークインクローゼット
- WTC・・ウォークスルークローゼット
- SIC・・シューズインクローゼット
- DEN・・書斎
- UB・・ユニットバス
- PS・・パイプスペース
マンションは共用廊下で間取りがわかる
マンションは共用廊下で間取りがわかります。共用廊下は「外廊下タイプ」と「中・内廊下タイプ」の2種類があるので、以下より具体的な特徴を解説していきます。
外廊下タイプのマンション
外廊下は建物の外側に廊下があるタイプです。外廊下は外気にふれているため風が通りやすい・明るくなりやすいという特徴があります。一般的なマンションはこの外廊下方式を採用しています。
中・内廊下タイプのマンション
外廊下とは異なり建物の中に廊下があるタイプを中・内廊下といいます。中・内廊下タイプのマンションは、断熱性・プライバシー性が高いという特徴があります。一方で管理費が高くなりがちで風通しが悪い…などのデメリットがあるため、採用しているマンションは多くはありません。
中・内廊下を採用している代表的な建物はホテルや高層のタワーマンションです。これらの建物は外廊下にすると断熱性やプライバシーの観点から問題がでてくるため、中・内廊下を採用しています。
なぜ管理費が高くなるんですか?
内廊下の場合はカーペットを敷いているケースが多いし壁面が多くなるからだよ。つまり、清掃費用や交換費用がかかるということだね。
マンション間取りの選び方
次にマンションの間取りの選び方を解説します。マンションの間取りを選ぶときは、以下5つのポイントを知っておきましょう。
- 家族構成や住む人の人数で間取りを選ぶ
- 生活・家事の動線で間取りを選ぶ
- 収納の数で間取りを選ぶ
- 日差しの向きで間取りを選ぶ
- 廊下の有無で間取りを選ぶ
詳しく解説していきます。
家族構成や住む人の人数で間取りを選ぶ
家族構成や住む人の人数で間取りを選ぶのは最も重要です。住んでから部屋の広さは変えることができないため、適切な広さの間取りを選びましょう。
具体的には、以下に分けて考えていきましょう。
- 単身世帯
- 2人世帯
- 3人世帯、4人世帯
単身世帯の場合
単身世帯の場合、狭めのスペースでも良い方は1Rか1Kにすることを、広めのスペースを取りたい方は1DKや1LDKにすることをおすすめします。1Kや1Rは部屋自体が狭く、一人暮らしだとしても快適な空間にはなりにくいです。友人や恋人、家族などを部屋に招待したり、趣味のモノを置いたりするスペースはありません。
一方で1DKや1LDKは一人暮らしとして十分に快適なスペースを取ることができます。キッチンも広めにとれるため自炊もしやすい環境になるでしょう。しかし部屋を広くすると家賃も高めになる傾向があるので、お財布と相談しながら部屋の間取りを決めることをおすすめします。
二人世帯の場合
恋人同士や夫婦、友人同士などの二人世帯の場合、少し広めの1LDKや2LDKにすることをおすすめします。とはいえ1LDKの場合は部屋をあまり狭くすると快適なスペースを確保できず、生活が不便になりかねません。1LDKであれば広さは40㎡以上あるのが好ましいでしょう。
また将来的なことを考えて子どもが増えるなど世帯人数が増える可能性があるなら、2LDKにしておくことをおすすめします。2LDKは二人世帯なら快適なスペースを確保でき、三人世帯でも十分に生活できるだけのスペースを確保できます。
三人、四人世帯の場合
三人世帯の場合は2LDK、四人世帯の場合は3LDKをおすすめします。三人以上の世帯になると夫婦2名+子どもという家族構成が多くなります。そのため夫婦の部屋のみならず、子どもの部屋も考える必要があるのです。子どもが将来的に成長することを想定し、なるべく部屋を広めにしておきましょう。部屋の広さの目安は下記の通りです。
- 三人世帯の場合は2LDKで45㎡~55㎡
- 四人世帯の場合は3LDKで65~80㎡
在宅で仕事をする場合や居住スペースにゆとりをもちたい場合、家族が増える可能性がある場合などは、基準の上限でなるべく広めの部屋にしておくことをおすすめします。
生活・家事の動線で間取りを選ぶ
生活・家事動線を重視して間取りを選ぶ必要もあります。動線とは実際に人が住んだときの「動きの流れ」ことです。動線が複雑で長い場合、移動にストレスがかかり快適な暮らしはできません。そのため生活・家事の動線はなるべくシンプルで短くすることをおすすめします。
特に注目すべき生活・家事動線は水回りです。キッチン、洗濯、お風呂などの水回りの設備は生活に密接に関係しているため、効率的な間取りになっている必要があります。実際に暮らしてみたときのことを想像し、効率的でストレスない生活・家事動線になっているか確認しましょう。
たとえば洗濯機とバルコニーは近い方が良い…食品庫とキッチンは近い方が良い…などです。
収納の数で間取りを選ぶ
収納の数で間取りを選ぶ方法もあります。収納スペースが十分でない場合、モノを整理するのに時間がかかりストレスになってしまうためです。特に子供がいる世帯の場合は玩具や服などが散らかり、収納スペースが足りなくなるケースも少なくありません。
そのため事前にしっかりと収納スペースが確保されたマンションを選ぶことは重要といえます。ポイントは「何を収納する必要があるか?」というように、収納するモノから「必要な収納量」を考えることです。
また収納スペースの目安はマンションの場合、専有面積の8~10%といわれています。子どもがいる場合や家族が増えそうな場合はやや広めにスペースを確保しても良いでしょう。
日差しの向きで間取りを選ぶ
日差しの向きは「室内の明るさ」や「洗濯物の乾きやすさ」など、生活に関係してくるため間取りを選ぶときに重要な点です。特におすすめしたいのは日差しが入りやすい南向きのマンションです。南向きのマンションは陽当たりが良いため、室内が明るく過ごしやすいという特徴があります。
ただ自分が検討しているエリアに南向きのマンションがない場合もあるでしょう。そのときは東向きのマンションをおすすめします。というのも東向きのマンションは朝日があたりやすいので、日差しが欲しい午前中に明るい部屋になるからです。
廊下の有無で間取りを選ぶ
廊下の有無で間取りを選ぶという考え方もあります。廊下がないマンション…つまり居室同士が隣接しているマンションは、廊下のスペースを居住スペースに充てているので平米数の割に広いです。しかしながら移動するときに部屋を通過しなければいけないため、プライバシーにはあまり配慮されていません。
人によってベストなマンションは違うので、上述した点を参考に自分なりの「ベストなマンション」を考えてみましょう。
よくあるマンションの間取りと人気の間取り
実際によくあるマンションの間取りや人気のある間取りについて見ていきましょう。マンションの代表的なタイプは下記の4つです。
- 田の字プラン
- ワイドスパン
- 角住戸
- センターイン
詳しく解説していきます。
外廊下型のマンションに多い「田の字プラン」
最もベーシックなマンションタイプが田の字プランです。真ん中に廊下があり中央左右にキッチンと浴室が配置され、田の字になるマンションのことをいいます。田の字プランの特徴は下記の通りです。
- 外廊下タイプの多くに採用されている
- 南向き(または東向き)のため日当たりが良い
- 優れた家事および生活動線
バルコニー側の間口が広い「ワイドスパン」
ワイドスパンはバルコニー側の間口が広いタイプのマンションです。ワイドスパンには下記の特徴があります。
- 部屋全体が明るくなりやすい
- 玄関からの動線が短い
- 部屋が広くなりやすい
マンション住棟の端にある部屋「角住戸」
マンションの端にあるタイプを角住戸といいます。角住戸には下記の特徴があります。
- 窓が多くすることができる
- 陽当たりや風通しが良い
- バルコニーを複数設置することができる
- 外気に触れやすいため室内温度が変わりやすい
高級マンションで多い「センターイン」
センターインは玄関が部屋の中央にあるマンションタイプです。センターインは下記の特徴があります。
- 中廊下タイプ
- プライバシーに配慮されている
- 価格が高くなりやすい
- 維持費用も高くなりやすい
人気の間取りはルーフバルコニーがあるマンション
特に人気の高いマンションはルーフバルコニーが設置してあるマンションです。一般のバルコニーは外付けしているため、広々としたスペースをとることはできません。しかしルーフバルコニーは下の階の屋根をそのままバルコニーとして利用しているため、かなり広めのスペースを確保することができます。ルーフバルコニーではバーベキューや天体観測、ガーデニングなど様々な楽しみ方ができるため、人気が高いです。
このように、色々な間取りタイプがあるので、自身のニーズに合った間取りタイプを選びましょう。
まとめ
今回はマンションの間取りについて解説しました。マンションにはR,K,DK,LDKなど様々な間取りがあります。間取りを選ぶときには現在の家族構成だけではなく今後の家族構成を想定した上で選ぶことが重要といえるでしょう。
またマンションを選ぶときは動線・収納・日差し・廊下の有無などにも注目してみると良いです。マンションの間取りを選ぶ観点は色々とあるので、本記事を参考にして「住みたい部屋」をあらかじめイメージしておくことをおすすめします。