間取り・広さごとのリフォーム費用の目安

住宅をリフォームする際にはどれくらいの費用がかかるのかについて今回は解説します。

住宅リフォームの費用は、原則としてどのようなリフォームを行うか、そしてリフォームを行う場所の間取りによって決まります。

そのため、不動産情報誌やインターネットサイトなどで目的とするリフォーム内容にあった費用を調べても、実際の見積もりでは想定していた費用より高く付いてしまうということも珍しくはありません。

いくらかかるか目安がわからないと、リフォームを依頼するのに不安ですね…

事務員

浜崎編集長

ある程度の目安なら間取りやリフォームの内容を元に計算することができますよ。

リフォーム費用は部位によってどれだけ変わる?

間取り広さ別のリフォーム費用について知る前に、まずはリフォームプランによってどれくらいの費用がかかるのかを知っておきましょう。

年代別のリフォーム費用の比較グラフ
引用:日本経済新聞より

この資料を見ると、住宅のリフォームで多い水回りの工事について、ある程度の価格帯を知ることができます。

傾向としては、設備を全面的に交換するなら約100万円、窓のリフォームや手すりの設置などの小規模なリフォームでは10万円から20万円が目安と言えるでしょう。

ただ、トイレについてはリフォームにかかる手間や設備の購入費用が他の工事に比べて割安ですので、自動洗浄機能などが付いた高機能便器に交換したと  しても、約20万円からが目安となっています。

MEMO
資料ではリフォーム内容ごとに個別に費用が表記されているため、設備の入れ替えと内装のリフォームを同時に行う場合などについては、行いたいリフォーム内容をまとめて費用を計算してください。

キッチンの場合なら、システムキッチンへの交換と内装や床の張り替えで、110万円から170万円が目安ということです。

注意点として、部屋全体をまとめてリフォームする場合、設備だけを入れ替える工事で必要な部屋内の養生作業費や、配管工事時に行う床工事の費用が内装工事に含まれることが多いため、個別にリフォーム工事を依頼した場合に比べ、費用が割安になる可能性が高いです。

リフォーム費用に幅があるものと無いものがありますけど、これは何が原因なのですか?

事務員

浜崎編集長

これは、導入する設備の購入費用が原因です。
システムキッチンの場合、本体価格はスタンダードモデルなら約80万円ぐらいですが、ハイグレードモデルでは150万円を超えるような製品も珍しくはありません。
海外製の大理石をふんだんに使用したキッチンだと300万円以上するものもありますね。

ということは、リフォーム費用を予算に合わせたいなら、工事費用より設備のグレードで調整した方が良いということですか?

事務員

浜崎編集長

そうですね。
通常のリフォーム工事では、余程特殊な設備や材料を使用しない限り、工事費用はそこまで変わりません。
もし、予算的に厳しいなら、システムキッチンやユニットバス、便器などのグレードを下げたり、特価品を探したりするのも良いでしょう。

間取りでリフォーム費用はどう変わる?

上の項目では水回りリフォームを例として解説しましたが、水回り以外の場所、例えばリビングやダイニングなどをリフォームする場合、費用はどう考えれば良いのでしょうか?

リビングやダイニングなどのリフォームでは、内装の交換やコンセント位置の変更、場合によっては間取りそのものの変更といった工事がよく行われています。

一般的に、内装のリフォームでは1平方メートルあたりの単価を元に、施工箇所の面積で総費用を計算しますので、こちらの場合は設備よりどちらかといえば間取りの広さ、つまり部屋の大きさがリフォーム費用に大きく影響するのです。

内装工事の定番であるクロスの貼り替えを例にした場合、一般的なクロス貼り替え工事の単価は、1平方メートルあたり1,000円前後が相場、つまり、単純に6畳間と8畳間で比べると、クロス貼り替えにかかる費用は8畳間の方が高額となります。

ということは、部屋の面積がわかれば、リフォームにかかる費用をある程度計算できるということですか?

事務員

浜崎編集長

そうです。
クロス貼り替えやフローリング張り替えなどの内装工事なら、部屋の面積がわかればある程度費用の目安を立てることができますね。
家を建てたときの図面で計算しても良いですし、メジャーを使って部屋の縦、横、高さを調べて計算するのも良いでしょう。

内装以外の工事、間取りの変更やコンセント位置の変更といったリフォームについては、間取りの広さ以外の要因が費用に影響するため、単純に部屋の広さだけで計算することができません。

特に間取りの変更については、間仕切り壁が加工しやすいかどうかや、柱の位置などによって工事の手間が変わり、間がかかる構造の場合はそれだけリフォーム費用もかさみます。

大掛かりなリフォームでは坪単価で計算する

ここまでの解説では、キッチンやリビングなど、一部屋だけリフォームした場合や、部分的なリフォームを行った場合について説明してきました。

ですが、住宅のリフォームではこういった小規模なリフォームの他に、建物全体をリフォームする場合もあります。

このような大規模リフォームを行う場合、どのように費用が計算されるのでしょうか?

家全体をリフォームするような工事の場合、費用の計算方法は大きく分けて2種類あります。

ひとつめは工事箇所ごとに個別に費用を計算していく方法、もうひとつは、ざっくりと施工面積から工事費用を計算する方法です。

MEMO
工事箇所ごとに計算する方法は、上の項目でご説明した手順を組み合わせるだけですが、施工面積から計算する方法については、全く別の方法が用いられます。

リフォームにかかる費用って、どんな工事をどこに行うかで変わるんじゃなかったんですか?

事務員

浜崎編集長

基本的にはその考え方で構いません。ですが、家全体をリフォームする場合は個別に計算すると見積もり書が煩雑になってしまいますので、施工面積から費用を計算します。
新築住宅の価格で一般的なの坪単価計算と似たようなものですね。

このような計算方式を用いるプランについては、リフォームよりリノベーションと呼ばれることが多いため、大規模リフォームを予定しており、坪単価で施工費用を計算したいという方はリノベーションを得意としている会社を調べてみると良いでしょう。

リフォーム費用を知りたいなら専門家の見積もりがベスト

色々考えることが多くて、自分でリフォーム費用の目安を立てるのはかなり大変ですね…

事務員

浜崎編集長

リフォーム費用の見積もりは、プロにお願いしても価格に幅ができてしまうぐらい複雑なものです。
水回りや内装などの小規模なものなら相場などからある程度計算できるのですが、大掛かりなものとなると自分で考えるのは難しいでしょうね。

リフォームの予算を考えるにあたり、費用の目安を付けることはとても重要です。

間取りや工事の内容からある程度リフォーム費用の予測を立てることはできますが、より正確な費用について知るためには、専門家による実地調査が欠かせません。

ただし、間取りや工事内容がわかっていれば、電話やメールなどで問い合わせるだけである程度の精度で見積もりを立ててもらうことはできます。

リフォームをお考えの方で費用について前もって知っておきたいという方は、リフォームプランと自宅の正確な間取りについてまとめてから、リフォーム会社に連絡して相談すると良いでしょう。