- 他の中古マンションの価格帯と比較することである程度の適正価格がわかる
- 駅などに近いマンションは価値が下がりにくいばかりか上がることもある
- 管理体制がしっかりとしているかによって、資産価値が大きく落ちるかどうかを判断できる
中古マンションは条件によっては、新築マンションと比べてお得になることもあり魅力的な物件も多いでしょう。しかし決まった金額があるわけではないので、適正価格なのか、実は高すぎるのか判断をつけるのが難しいでしょう。そこで中古マンションの価格の調べ方をご紹介します。
他の物件を知る
中古マンションはエリア、築年数、平米数など様々な要因によって価格が異なります。素人ではいきなりこれらを把握するのは難しいのですが、他の中古マンションの価格帯と比較することである程度の適正価格がわかってきます。特にエリアは広さや築年数などはっきりと数値がでないので難しいのですが、周りを見ることでわかってきます。
1-1.他の物件の価格を知る
今購入を考えているマンションと同じエリアにある、中古マンションがいくらなのかを調べて比較をすることが一番わかりやすいです。同じエリアの、できるだけ近い条件のマンションをしっておき平均的な価格帯を把握することが大切です。
1-2.他の物件を見ることで目がこえてくる
内覧会へ行くことにより、マンション全体の様子や、築年数に対するきれいさ、建物の状況など自分なりに観察をすることにより自分なりの価値観がでています。同じ築年数で同じ状況でも、ひとによって価値観は違うのです。同じ状況で高いと思う方も安いと思う方もいらっしゃるでしょう。定期的価格はもちろん大切ですが、いかに価格に納得がいくかも重要な要素です。
2-1.立地条件
エリアや利便性はマンションの資産価値に大きく影響していきます。都心部へのアクセス、学校やスーパーなどが揃っている、住みやすい安全な街である、駅から近いなどの条件が揃っていれば金額が高くても価値があると考える人が多いのです。
マンションで最も大切なのは、立地条件であるといっても過言ではありません。安くて広いマンションでも駅や大きなショッピングセンターなどから遠ければ、金額はあがりにくいのです。他にも自治体が景観を整備している場所や、急行停車駅、また複数の路線を利用できる駅などに近いマンションは価値が下がりにくいばかりか上がることもあります。
2-2.広さ
それぞれのエリアで、広さに対するある程度の価格は調べることができます。例えば東京都内でも同じ40㎡までで、青梅市、足立区、港区を比較すると、青梅市が500万円以下、足立区が約1,500万円、港区が3,000万円以上となっています。広さに関してはある程度の価格を予想することはできるでしょう。
2-3.築年数
中古マンションであれば築年数も気になる点でしょう。建物は年数がたっていくうちに劣化していくものです。メンテナンスの状況によっても異なってきますし、しっかりとメンテナンスをしていても雨風でも劣化するものです。そのため、築年数が長い建物は自然と価格が下がります。
2-4.メンテナンス
新築マンションも時間がたつに連れて劣化していきます。しかしメンテナンスをしっかりするかどうかによって、劣化の仕方が大きくことなります。またエントランスや駐車場などがきれいに清掃されているかによって、価値が異なってきます。つまり管理体制がしっかりとしているかによって、資産価値が大きく落ちるかどうかを判断できます。
2-5.ブランド力
住友不動産、大京、三菱地所レジデンス、三井不動産レジデンシャル、野村不動産、東京建物、東急不動産といった7社は強いブランド力があり、これだけでも価値があると考えられます。
3-1.土地と建物価格
新築で購入したマンションも、年々価値が下がっていきます。またマンションは一軒家と違って、土地価格が占める割合が少なくなるため価値の下落は大きくなります。また土地の価値は常に同じではなく、相場に変動があります。
マンションを選ぶ時に、購入者が最も大切にしている部分の一つに最寄り駅までの近さと最寄り駅から都心などへのアクセスの良さがあります。急激に開発が進んだり、大きな企業ができたり、新しい路線や駅が近所にできたりと、JRなどの路線事情によっても土地の金額が高騰することがあります。
たとえば中央線国立駅は都心へのアクセスがよく名門大学が周辺にありもともと人気の駅なのですが、2015年に駅ビルと一体化した商業施設がオープンし、さらに商業施設が拡張されたことから土地が高騰しています。
このよう人気の駅をさらに活性化させるために、駅周辺だけでなく街自体の開発が進むことにより土地の価格が変動するのです。地価公示価格は、毎年3月に国土交通省から発表されます。
原価法とは
不動産の価格を決める方法には、大きくわけて3種類あるのですがその中のひとつが原価法です。今建っているマンションをもう一度立て直した場合の費用を計算し、そこから減価修正とよばれる建物や建物の設備が老朽化した分をひく査定の仕方をいいます。
原価法を出すためには、以下のような計算式を使います。
原価法=再調達価格×延床面積×(残耐用年数÷耐用年数)
それでは、それぞれの項目を詳しくご紹介します。
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・再調達価格
今建っている建物をもう一度一から建て直すと仮定をして、費用がいくらかかるかを想定します。木造や軽量鉄骨造、鉄骨造、RC造、SRC造などの建物の構造により、単価がかわってきます。この単価は1㎡あたりの金額となっており、この金額に延床面積をかけた数字が一から建て直したと仮定した場合の金額となります。
・減価修正
新築の建物や設備が老朽化した金額を出すためには、残耐用年数÷耐用年数での計算方法となります。建物の構造によって法廷年数が以下の様に決まっています。
木造 | 22年 |
軽量鉄骨造 | 22年 |
鉄骨造 | 34年 |
RC造 | 47年 |
SRC造 | 47年 |
引用:国税庁ホームページより
つまり耐用年数は最初から決まっており、減価修正をする時は耐用年数までの残り年数÷耐用年数を出すことで減価修正を出すことが出来ます。このように減価修正に関しては、建物の構造が大きく関ってきます。つまり中古マンションを探す時は、そのマンションの構造を確認することは大切です。軽量鉄骨造とSRC造やRC造だと2倍以上耐用年数が異なるのです。
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原価法以外の不動産評価を計算する方法
それでは原価法以外にどのような不動産を評価する方法があるのでしょうか。それぞれをご紹介します。
4-1.収益還元法
今後不動産から得ることができる収益(地代や家賃)を計算することにより、現在の価値に割引をする方法です。
4-2.取引事例比較法
同じエリアである近隣の事例を比較することにより計算をする方法です。地域にあった適正価格をだしたいと考える方におすすめの方法です。また近隣のデータを取り入れることが難しい点がデメリットとなります。
中古マンションの価格の調べ方はいくつかあるのですが、実際に何軒も中古マンションをみることが大切です。自分なりの基準ができてきますし、価格に対して自分が納得いくかどうかが最も大切なのです。
不動産評価の方法はあくまで参考程度にすることをおすすめします。一生に一度の買い物となることが多いので、後悔しないような不動産選びをしてください。