床の張替えリフォームにはいくらかかる?費用や工期の目安を解説 !

この記事のざっくりとしたポイント
  1. 床の張替えにかかる費用と工期の目安
  2. 素材別の耐用年数とメンテナンス方法
  3. 床を張り替える場合の注意点
持ち家の床が傷だらけになってしまい、リフォームを検討しています。どんな方法があるのでしょうか。

事務員

浜崎編集長

床材はフローリング、クッションフロア、カーペットなど様々な種類があり、特徴や費用も異なります。適当に選んでしまうと、後悔することもあるでしょう。そこで今回は、床の張替えリフォームにかかる費用や工期の目安などを具体的に解説していきます。後半には床の張替えリフォームの注意点も紹介しますので、最後までぜひご覧ください。

床の張替えにかかる費用と工期の目安は?

浜崎編集長

まずは、床の張替えリフォームにかかる費用と工期の目安を紹介します。一般的にはフローリングが一番高く、次いでカーペット、クッションフロアの順で費用がかかります。まずは高価なフローリングの事例から見ていきましょう。

フローリングの張替えにかかる費用と工期の目安 は?

フローリングには「無垢フローリング」と「合板フローリング」の2種類があります。

無垢フローリングは木をそのまま削りだした1枚もので、柔らかい感触でこだわりのある方が好む一方で、高価かつ傷や汚れに弱いという特徴があります。

合板フローリングは合板の表面に化粧材となる木材を張り合わせたもので、固い感触ながら無垢と比べると安価で、傷や汚れに強いという特徴があります。

MEMO

それぞれ、防音性能をつける場合はより高価となります。

北海道の戸建ての施工事例では、6畳の和室をフローリングに張り替える事例が10万円でできたと紹介されています。

畳からフローリングへのリフォームの画像

引用:リフォマ

埼玉県の戸建ての施工事例では、廊下をリクシル社の合板フローリングに張り替える事例が13万円・工期1日でできたと紹介されています。

フローリング張替の画像

引用:マド本舗

東京都のマンションの施工事例では、全部屋の床を剥がし、下地を補修し、防音性能ありの無垢フローリングを貼るのに50万円かかったと紹介されています。

防音フローリングへ張り替えした画像

引用:藤建設

カーペットの張替えにかかる費用の目安

カーペットは防音性やクッション性に優れています。下の階に音が響きにくいというメリットがあるため、足音などに気を遣う子育て世帯にも人気です。

一方、デメリットとしては掃除がしにくいことや家具の後が残りやすいこと、夏場は暑く感じることなどが挙げられます。防ダニ加工がされているカーペットもありますが、細かな誇りや液体が繊維の中に入り込んでしまう点はデメリットと言えるでしょう。

カーペットの張り替えは1部屋でたいてい1日あれば完了します。既存の床材を剥がし下地を整えた後、巻物状になっているカーペット生地をカーペット用の両面テープで張り付けます。少し値段は張りますが、タイル状になっているタイルカーペットもあります。

東京都の事例では、カーペットの張り替えにかかる費用が内訳込みで紹介されています。約11畳 の部屋の張り替えにおける材料費は約8万円、既存カーペットの処分費が約2千円、人件費が約4千円という内訳となり、合計で約8万6千円の費用がかかっています。

カーペットの張替え工事の画像

引用:インテリア中島

埼玉県のマンションの施工事例では、汚れが取れなくなった洋間1室のカーペットの張り替えが5万円でできたと紹介されています。

カーペットの張替え工事の画像

引用:リノコ

大阪府のマンションの施工事例でも、リビングのカーペットを張り替えるのにかかった費用は5万円(工期1日)と紹介されています。

カーペット張り替えの画像

引用:ホームプロ

クッションフロアの張替えにかかる費用と工期の目安は?

クッションフロアは、防音性・防水性に優れたクッション性の床材です。表面はビニールで覆われており、そこに木目など様々な柄をプリントすることが可能です。

MEMO

防水性に優れていることから、脱衣所など水滴が付きやすい箇所にクッションフロアは使われます。

メリットは多く、価格が安いことや施工が簡単でDIYしやすいこと、様々な柄から自分の好みの床に仕上げることができることなどが挙げられます。

一方、劣化が早いことがデメリットです。クッションフロアに使う接着剤が劣化すると、クッションフロアが剥がれてきてしまいます。その隙間からゴミや湿気が入るとカビになってしまう可能性があるため、適切な頻度で交換が必要です。

クッションフロアの参考価格を3つほどご紹介します。

ッションの張り替えもカーペットと同じく、1部屋であれば、たいてい1日あれば完了します。既存の床材を剥がし下地を整えた後、巻物状になっているクッションフロアの生地を両面テープで張り付けます。シートの継ぎ目ははがれやすいため、継ぎ目処理剤を注入します。最近では、クッションフロア自体にテープが貼ってあり剥がしてつけるだけのものも販売されています。

神奈川県のマンションの施工事例では、6帖洋間のカーペットを遮音性のクッションフロアに張り替えるのに13万円かかったと紹介されています。

クッションフロアのリフォーム画像

引用:リノコ

東京都のマンションの事例では、漏水で歪んでしまった廊下のクッションフロアの張り替え工事が工期1日・14万円でできたそうです。この事例では、傷んだ下地の取り換えも実施されています。

クッションフロアのリフォーム画像

引用:ホームプロ

素材別の耐用年数とメンテナンス方法

編集員:それではここで、床材で使われる人気の素材について、その特徴を表にして比較していきましょう。これまでご紹介した床材も含めて、耐用年数(張替えの目安)やメンテナンス方法、メリット・デメリットを表にまとめて紹介します。

耐用年数
(目安)
メンテナンス方法 メリット デメリット
合板フローリング 15年 通常の清掃・汚れた場合は中性洗剤で水拭き 自然な肌触り・調湿機能あり
無垢に比べると見た目が無機質
無垢フローリング 30年 通常の清掃・汚れた場合は中性洗剤で水拭き 自然な肌触り・調湿機能あり
水に弱い・合板より傷がつきやすい
クッションフロア 10年 通常の清掃・汚れた場合は中性洗剤で水拭き 耐水性・防音性・衝撃吸収性〇 耐用年数が短い
カーペット 6年 通常の清掃・汚れた場合は中性洗剤で水拭き 保温性・防音性・衝撃吸収性〇
掃除しづらくダニが発生しやすい
10年 畳の目に沿って掃除機・から拭き 衝撃吸収性・吸湿性〇
掃除方法が限られる
タイル 15年 中性洗剤で水洗い 耐熱性・耐火性・耐水性〇
硬いため室内には不向き
石材 30年 水ぶき・大理石はアルカリ・酸性どちらにも弱いためこまめなメンテナンスが必要 耐久性〇
硬いため室内には不向き・一部でも割れると広い範囲の修理が必要
価格だけではなく、メンテナンスのしやすさや耐用年数を加味して素材を選ぶことも重要ですね!

事務員

床を張り替える場合の注意点

浜崎編集長

床材が決まれば、あとは施工するだけですが、その前に、リフォームで床を張り替える場合に理解しておきたい注意点、事前確認が必要なことなどを紹介します。

管理規約の確認と事前申請が必須

マンション等の集合住宅の場合は、規約等により使える床材に制限がある場合があります。

床材で定められることが多いのは遮音性能です。床材の遮音等級は「L等級」という基準で定められており、L以降の数字が小さいほど遮音性能は高くなります。一般的に、マンションでは「LL45」より小さい数字の等級にするよう規定されています。

遮音等級
軽量音(LL) 重量音(LH)
椅子、物の落下音等
足音、走り回る音等
L-35 通常では聞こえない
ほとんど聞こえない
L-40 ほとんど聞こえない
かすかに聞こえる
L-45 小さく聞こえる
意識するほどではない
L-50 聞こえる 小さく聞こえる
L-55 発生音が気になる 聞こえる
L-60 発生音がかなり気になる よく聞こえる

引用:リオン株式会社

注意

床材のリフォーム行う場合は、事前に規約を確認し、定められた事前申請で管理組合の承認を得るようにしましょう。

必要な書類は組合により異なりますが、組合が定める様式の工事申請書に図面などを添付します。使用する床材についてもその遮音性能が分かる書類の添付が必要となりますので、リフォーム業者に用意してもらうようにしましょう。

上張り(重ね張り)という選択肢もある

より安価に仕上げたいなら、既存の床材を剥がさずに上から貼る上張り工法という選択肢もあります。

一般的に、床材の張り替えにかかる工程は以下の通りです。

  1. 既存の床材を剥がす
  2. 下地を整える
  3. 採寸通り床材を切断
  4. 張り替える

上張り工法のメリットは、床材剥がしと下地整えの工程を省略することで費用が安くなる点です。既存の床に張り付けるだけなので、DIY初心者でも簡単に床材の張り替えリフォームをすることができます。

しかし、デメリットも当然あります。

一つ目は床が嵩上げされることで段差が生じる点です。床材は薄いもので薄いものから1.5mm~6mm、厚いもので12mm~15mmはあります。張り替えた部分との間で段差ができてしまうと、つまづいて転んだりする可能性があります。

二つ目は下地の補修ができないことです。下地にゆがみが出ている場合、それを放置して上張り工法をしてしまうと、施工後に床面の凹みや踏みしめた際の床鳴りが発生してしまう可能性があります。

こういったメリット・デメリットを理解した上であれば、選択肢の1つとして上張り工法はおすすめです。

段差の解消を同時に検討する

昨今ではバリアフリー化の観点から、床材の張替えリフォーム時にあえて嵩上げすることで、段差の解消を検討するケースも多くあります。

高齢になるほど、小さい段差でもつまづいて大けがになる場合もあります。古くなった床材張り替えのタイミングで、段差解消を行うのはおすすめです。

群馬県で介護リフォームを手掛ける有限会社あいの事例では、廊下部分の床を嵩上げすることで各部屋との段差を解消することに成功しています。

ただし、上記の上張りによってそれまでになかった段差ができてしまうこともあるので実施する場合はよく検討するようにしましょう。

介護リフォーム施工事例の画像

引用:有限会社あい

劣化が進む前に張替えを検討する

床材の張り替えを長い間行わず、下地の劣化が進んでしまうと余計な費用が発生することも少なくありません。

一般的に、張り替えの時期はフローリングで15~20年、クッションフロアで10年、畳で10~15年と言われています。

フローリングは一般的な保証期間である2年を過ぎても問題なく使えます。しかし、長期間の使用で、表面からの見た目だけではわからない経年劣化があちこちに発生してきます。

一般的に、床の上を歩きギシギシと音がすれば、フローリングを張り替える適齢な時期と言われています。きしみや床鳴りが発生する要因は、床材そのものが経年劣化で縮み隙間ができていることもあれば、下地である構造部が劣化している可能性もあります。

注意

ひどい場合は床下がシロアリに食われていたということもあるため、まずは専門業者にみてもらうことをおすすめします。 

まとめ

今回は、床の張り替えリフォームにかかる費用や、それぞれの素材の特徴をご紹介しました。

床材にはそれぞれの素材が持つメリット・デメリットがあり、メンテナンスの方法も異なるため選定する際にはその特徴を理解して選定する必要があります。

床を変えるだけでも、暮らしやすさや見た目は大きく変わります。用途やメンテナンスのしやすさなども加味して、自らにあった床材を選びましょう。