- タワーマンションは基本的に20階以上のマンションのことをいう
- タワ―マンションは階数によって価格が全然違う
- メリット・デメリットの両方を比較してから、タワ―マンションの購入・賃貸を判断した方が良い
「タワ―マンション」と呼ばれるマンションがあることを知っている人は多いと思います。しかし、そもそもタワ―マンションとはどのようなマンションで、どのような特徴があるか知っている人は少ないでしょう。
そこでこの記事では、タワ―マンションの定義やメリット・デメリットを解説していきます。タワーマンションに興味がある人はぜひ確認してみてください。
タワーマンションとは?定義は20階建てから
実は法律上タワーマンションは特に規定されていません。ただ一般的に「20階以上のマンション」がタワ―マンションと定義されています。
この章ではそんなタワーマンションについて、日本初のタワーマンション、そして世界一のタワーマンションの2物件を紹介します。
まずはタワーマンションの歴史を簡単に学び、世界のタワーマンションについても頭に入れておこう!
埼玉県の「与野ハウス」は日本初のタワーマンション
埼玉県さいたま市(旧与野市)にある与野ハウスは日本初のタワーマンションといわれています。概要は以下の通りです。
- 1976年竣工
- 高さ66m21階建て
- 総戸数463戸
与野ハウスはタワーマンションらしく中庭やエントランスが広かったり、敷地内に幼稚園などの施設があったりという特徴があります。
今は21階建てのマンションはそこまで珍しくありませんが当時としては珍しいマンションでした。与野ハウスを皮切りに少しずつタワーマンションが日本で増えていきます。
ドバイの「ブルジュ・ハリファ」は世界一高いタワーマンション
世界一高いタワーマンションはドバイのブルジュ・ハリファというマンションです。ブルジュ・ハリファの高さは828.9mもあります。
東京スカイツリーの高さが634mで日本一高いタワーマンションの高さが247m(虎ノ門ヒルズレジデンス)ということからも、ブルジュ・ハリファがどれほど高いマンションか分かるでしょう。
何でこんなに高さに差があるんですか?
日本は地震が多いから建築基準法がほかの国よりも厳しいんだよ。だから、そもそも日本ではブルジュ・ハリファほど高いマンションを建てることはできないんだよ。
タワーマンションと高層マンションの違い
次にタワ―マンションと高層マンションと違いを解説します。結論からいうとタワーマンションは「超高層マンション」といわれる建物です。
その理由は建築基準法で高さ60m以上の建物を「超高層建築物」と定めているからです。そして、60mの建物は階数にして20階程度の建物になるため、20階建てのマンションはタワ―マンションといわれています。
一方、高層マンションは高くても14~15階建て(40~45nほど)になります。というのも14~15階を超える建物は非常用エレベーターの設置義務があるからです。
【東京】タワーマンションの価格相場・目安(賃貸含む)
次に東京都のタワーマンションの価格相場・賃料を解説していきます。ただし不動産の価格相場・賃料はエリアや物件によって大きく異なります。 そのためこの章で紹介する価格・賃料はあくまで参考価格・賃料として認識しておきましょう。
以下より売買価格および賃料相場を紹介します。
東京都内のタワマン価格相場
東京都内のタワーマンション価格の相場は以下の通りです。
- 中央区:4,600万円~1億円
- 渋谷区:1億3,000万円~2億円
- 港区:5,800万円~8,500万円
- 品川区:3,900万円~2億円
このように高額なタワ―マンションだと2億円ほどの物件もある一方で、5,000万円を切る物件もあります。 なぜ同じエリア内でここまで価格差があるかというとタワ―マンションは階数によって価格が全然違うからです。
またタワ―マンションは一般的なマンションよりも広さのバラつきが大きいです。
東京都内のタワマン賃料相場
次に東京都内のタワーマンションの賃料相場は以下の通りです。
- 品川区(1R/6階):約13万円
- 港区(1LDK/3階):約18万円
- 港区(1LDK/7階):約18.4万円
- 渋谷区(1DK/17階):約18万円
上記のように一般的な賃貸マンションに比べるとやや高いです。やはりタワーマンションは共用施設が豊富で高層階は景色が良い…などの付加価値が高いため、相場より高い賃料でもニーズがあるのでしょう。
ここまででタワーマンションの概要や価格・賃料相場が分かったと思います。
タワーマンションのメリット
次にタワーマンションのメリットである以下を解説していきます。
- 高い階数に住めば景色が良い
- 駅近などの好立地な場所にタワマンはよくある
- 施設サービスが充実している
- 固定資産税が通常のマンションよりも安い
- タワマンはステータスになる
高い階数に住めば景色が良い
1つ目のメリットは、高い階数に住めば景色が良いという点です。やはりタワ―マンション最大の魅力は高層階の景色です。
また単純に「建物が高い」という点以外にも、タワ―マンションは「公開空地が設定されている」という点も景色が良い理由の1つになります。公開空地とはマンションの敷地の一部を「誰でも通れる空地にする」というルールのことです。
つまりタワ―マンションは建物のまわりに公開空地というスペースがあるため、すぐ近くにマンションは建築できません。そのため、隣の物件とは距離が確保できるというわけです。この点もタワ―マンションは景色が良い理由の1つになります。
ただし、低層階では高層階ほど景色は楽しめないよ。
駅近などの好立地な場所にタワマンはよくある
2つ目のメリットは、駅近など好立地な場所にあることが多い点です。というのもタワ―マンションは駅前再開発などに伴って建築されるケースも多いからです。駅前再開発に伴うタワ―マンションだと、駅から近く利便性が高いです。
施設サービスが充実している
3つ目のメリットは施設サービスが充実している点です。物件によって導入されている施設の種類は異なりますが、タワ―マンションには以下のような施設があります。
- フィットネスジム
- シアタールーム
- ゲストルーム
- バー
- プール
- コンビニやスーパー
- 幼稚園やクリニック
上記のような施設をマンション内に入れると維持費がかかります。しかしタワ―マンションは入居者が多いため、入居者1人1人の負担が少ないのです。そのため上記のような施設を豊富に入れることができるというわけです。
固定資産税が通常のマンションよりも安い
4つ目のメリットは、固定資産税が通常のマンションよりも安価である点です。なぜ固定資産税が安くなるかというと、マンションの固定資産税は入居者全員で案分されるからです。
ただし、固定資産税はエリアによって大きく異なるので、タワ―マンション購入前に固定資産税は必ず聞いておこう。
タワマンはステータスになる
5つ目のメリットはタワ―マンションはステータスになる点です。というのもタワ―マンションは街でも目立つ建物なので、ランドマーク的な存在なりやすいのです。
たとえば駅前のタワ―マンションであればマンション名をいうだけで、「あ~○○駅前のマンションね」となるかもしれません。このようにタワ―マンションは知名度が高くなりやすいので、ステータスになる点もメリットといえます。
タワーマンションのデメリット
一方タワ―マンションには以下のデメリットがあります。
- 自分の部屋までの移動時間が長くなる
- 外に洗濯物を干すことが禁止されているタワマンもある
- 14階以上の階層は携帯の電波が入りにくい
- 大規模修繕の費用が予測しづらい
- 家賃や管理費が高い
- 災害(地震によるエレベーターの混雑)などの緊急時に対する懸念が多い
自分の部屋までの移動時間が長くなる
1つ目のデメリットは自分の部屋までの移動時間が長くなる点です。特に高層階だと自分の部屋に行き来するだけで大変です。
たとえば30階建てのタワ―マンションに住んでいるとします。30階建てのタワーマンションなのでエレベーターも複数台あるものの、やはり朝の忙しい時間帯はエレベーターが混むでしょう。
外に洗濯物を干すことが禁止されているタワマンもある
2つ目のデメリットは外に洗濯物を干すことが禁止されているタワ―マンションもある点です。物件によってルールは異なりますがタワ―マンションで洗濯物を干すことが禁止されているとしたら、その理由は以下になります。
- タワ―マンションの景観を崩さないため
- 落下したときに危険だから
洗濯物を外に干せないということは室内に干すしかないということです。この点を大きなデメリットに感じる人は、タワーマンション購入前にマンション内のルールをよく確認しておいた方が良いでしょう。
14階以上の階層は携帯の電波が入りにくい
3つ目のデメリットは14階以上の階層は携帯の電波が入りにくい点です。なぜなら携帯電話の基地局(電波を送受信するアンテナ)の高さは約40mで、かつ下向きに設定されているからです。
そのため40mより高い階である14階以上になると、アンテナの設置位置と向きの関係でどうしても電波が入りにくくなるのです。
電波状況は事前に確認できるんですか?
竣工前の新築は難しいね。ただ、竣工済みのタワ―マンションや中古のタワ―マンションを購入する場合は、実際に室内で電波状況を確認できるよ。
大規模修繕の費用が予測しづらい
4つ目のデメリットは大規模修繕の費用が予測しづらい点です。なぜならタワ―マンションは修繕する範囲が広いため、通常のマンションよりも「予期せぬ損傷」が発生する可能性が高いからです。
タワ―マンションに限らず大半のマンションは大規模修繕計画を策定しています。大規模修繕計画とは外観や外部廊下など「共用部」の修繕計画です。
タワ―マンションは外壁の範囲も広いですし外部廊下やエントランスも広いです。そのため一般的なマンションよりも「予想以上に損傷している」などが起きやすく、大規模修繕の費用がブレる可能性があるのです。
もし中古で購入する場合は、過去の修繕計画と相違点を確認すると良いよ。仲介会社の担当者にいって、大規模修繕計画や管理組合総会の議事録などをチェックしてもらおう。
家賃や管理費が高い
5つ目のデメリットは家賃や管理費が高い点です。家賃が高い理由は上述した通り「付加価値が高いから」です。管理費が高い理由はサービスが豊富だからです。
たとえばコンシェルジュが在中していれば、コンシェルジュに支払う費用も管理費に含まれています。ほかにも建物点検費用や管理人の人件費なども管理費に含まれています。
つまり豊富なサービスを提供しているマンションは、そのサービスへの対価を管理費として支払う必要があるということです。そしてタワーマンションは豊富なサービスを提供している物件が多いのです。
災害(地震によるエレベーターの混雑)などの緊急時に対する懸念多い
6つ目のデメリットは災害などの緊急時に対する懸念が多い点です。たとえば地震が起きてエレベーターが止まってしまえば、高層階に住んでいる人はマンションから出るだけでも大変です。
仮に高齢者で階段の上り下りが不可能であれば、マンションから出ること自体が困難になるでしょう。また仮に若い人でもエレベーターが動くまでは階段を上り下りするため、家から出る・帰るというだけで大変になります。
タワーマンションのメリット・デメリット まとめ
タワ―マンションのメリット・デメリットをまとめると以下の通りです。
項目 | メリット | デメリット |
高さ | 高層階は景色が 良い |
・災害時に上り下りが大変 ・自分の部屋までの移動が大変 ・洗濯物を外に干すのがNGの 場合もある ・14階以上は携帯の電波が 入りにくい場合がある |
立地 | 好立地な場所に ある |
– |
施設 | 充実している | 修繕・管理費が高くなる可能性がある |
税金 | 固定資産税が 比較的安い |
– |
その他 | ステータスに なる |
家賃が高い |
特にタワ―マンションは「超高層階」である点が特徴なものの、上記のようにメリット・デメリットの両方あります。そのためメリット・デメリットの両方を比較してから、タワ―マンションの購入・賃貸を判断した方が良いでしょう。
まとめ
このようにタワーマンションは基本的に20階以上のマンションのことをいいます。タワーマンションの高層階は景色が良いなどのメリットがあり、タワーマンション全体では施設が充実しているなどのメリットもあります。
一方、高層階である故に上り下りが大変だったり、携帯の電波が入りにくかったりというデメリットもあるのです。もしタワーマンションへの入居を検討しているなら、このメリット・デメリットはしっかりと理解しておきましょう。