マンション購入時の頭金は何割が良いの?必要な理由や注意点、返済プランの見直し方を解説

この記事のざっくりしたポイント
  1. 頭金は2割程度が一般的
  2. 頭金ゼロのリスクを知っておくことが重要
  3. 「自分にあったプラン」を入念に考えることが大切

一生のうちで一番高い買い物と言えば、多くの人は「マンション」などの住宅を挙げるでしょう。一般的にマンションを購入する人は30年以上のローンを組みます。その際は全額住宅ローンを組むのではなく、頭金を用意して残りを住宅ローンで賄うという人が多いです。

そこでこの記事ではマンションの頭金について用意すべき金額の目安や、金額を決めるときの基準などを解説していきます。マンションの購入をお考えで、頭金をいくら入れるべきか迷っている方はぜひ参考にしてください。

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マンションの頭金とは

マンションの頭金とは購入物件のうち「自己資金で支払う現金部分」のことです。仮にマンションが3000万円で頭金を1,000万円にした場合、残りの2000万円は住宅ローンを組んで返済することになります。頭金が多ければ多いほど住宅ローンの元本は小さくなるので月々返済が楽になったり支払う利息も少なくなったりというメリットがあります。

 

諸費用は頭金に入らないんですか?

 
 

一般的に諸費用は頭金に入れないね。だから、頭金とは別に「仲介手数料」や「登記関係費用」などの諸費用は必要になるよ。

 

マンションの購入に頭金が必要な理由

マンション購入時の頭金にはローンの返済を楽にしたり金利が少なく済んだりと、支払った方が良い理由があります。この章ではそんなマンションの頭金が必要な理由について解説していきます。

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毎月の住宅ローン返済が楽になる

頭金を支払う最も大きな理由としては住宅ローンの支払い額が減るという点です。住宅ローンを組むと当然ながら金利が発生します。そのため借入金額が増えるほど総支払い額・月々支払い額どちらも高額になります。

今は変動金利で金利0.5%程度の金融機関があるものの住宅ローンは30年以上組むことも多いため、金利だけで数百万円以上になることも多いです。頭金を支払うのは少し辛いかもしれませんが、その後に支払う金利考えると頭金が大きいに越したことはありません。

支払った頭金に応じて金利が変わる

2つ目の理由は頭金の有無や金額に応じて「住宅ローンの金利が変動していく」からです。たとえば住宅支援機構が提供するフラット35の場合、頭金の割合によって以下のように金利が変わります。

頭金の割合に対する金利
  • 頭金1割超 :1.3%~2.06%
  • 頭金1割以下:1.56%~2.32%

細かく言うと借入期間などによって金利は異なりますが、頭金が多いほど金利も低くなるのが一般的です。住宅支援機構ではなく民間の金融機関でも、頭金の割合によっては金利が変動することがあります。

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このように頭金が多いほど支払い面はもちろん、金利面でも得をするということだね。

 

金融機関の審査に通りやすくなる

3つ目の理由は「金融機関の審査に通りやすくなること」です。というのも頭金が用意できる人は「貯蓄ができる」と見なされるので、金融機関の評価も高くなります。また、そもそも頭金が高額なほど借入額は下がるので、返済に余裕が生まれ審査に通りやすいのです。

逆に頭金がゼロの場合「貯蓄ができない人」と見なされることもあります。さらに頭金ゼロだと借入額も増えるので、どうしても金融機関の審査には通りにくいです。

 

頭金ゼロで住宅ローンは組めないんですか?

 
 

いや、頭金ゼロでも住宅ローンを組むことはできるよ。でもリスクがあるのは確かだね。この辺りの詳細は後述します!

 

マンション購入での頭金は約2割程度

一般的にマンションの頭金の割合は「2割程度」が一般的だと言われています。以下は、フラット35が出典しているデータになります。

住宅の種類 平均の頭金の額
(万円)
住宅購入費用に対する
頭金の割合
注文住宅 651.1 19.40%
土地付注文住宅 450.2 11.10%
建売住宅 302 9.00%
マンション 705.6 16.20%
中古戸建 208.3 8.70%
中古マンション 318.1 11.20%

新築マンションの場合は頭金の平均が705.6万円となっており、割合としては16.2%です。あくまで参考ではありますが、ほかの数値を見ても頭金は1割前後から2割程度であることが分かります。

MEMO
そのため頭金は1割~2割程度で、2割あるとベター…くらいに認識しておくと良いでしょう。
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近年では頭金なしでマンションを購入する人も

ただ近年では頭金なしでマンションを購入する人も増えてきています。金融機関によっては、物件価格の100%(全額)のローンを組ませてくれることもあります。中古マンションの場合は新築マンションよりも低価格です。そのため頭金ゼロでも借入金額は比較的少なく、住宅ローンの審査には通りやすいといえるでしょう。

言い換えると価格が高い新築マンションは頭金ゼロだと借入額も高額になります。なので中古マンションよりは住宅ローンが通りにくいといえます。頭金ゼロ円で住宅ローンを借りられるかどうかは借入者のプロフィール次第です。金融機関が好むプロフィールは以下の通りです。

金融機関が好むプロフィール
  1. 年収が高い
  2. 安定している(公務員や大企業の正社員など)
  3. 過去の延滞歴などがない

上記のような方は「属性が良い」と評価されるので、頭金ゼロ円でも金融機関の審査に通りやすいでしょう。

 

ただし金融機関の審査はやってみないと分かりません。そのため上記の属性の方でも「頭金が○○万円必要」という条件付き承諾になることもあります。

 

住宅ローンは返済可能な金額を基準にすることが重要

住宅ローンを組む際は無理なく返済可能な金額を基準にすることが重要です。今支払うことができる頭金がいくらなのか?自分の年収の場合はいくらの住宅ローンが組めそうか?を実際に計算して、無理のない範囲で頭金を決めましょう。

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以下より年収から借入可能額を調べる方法、および家賃から借入可能額を調べる方法を解説していきます。

年収から借入可能額を調べる

まず年収から借入可能額を調べる方法です。返済負担率(年間返済額が年収を占める割合)が25%、住宅ローン金利1.5%、35年返済でボーナス時加算なしの条件で計算した場合、年収別の借入額(目安)は以下の通りです。

税込年収 借入額(目安)
300万円 2040万円
400万円 2720万円
500万円 3400万円
600万円 4080万円
700万円 4760万円

たとえば税込年収400万円の方が3,000万円のマンションを購入する場合、上記に照らし合わせると頭金280万円(3,000万円-2,720万円)が妥当ということです。

注意
ただし、これはあくまでも目安です。同じ年収でも家族構成や健康状態、ライフスタイルによって借入額は違います。

家賃から借入可能額を調べる

また現在賃貸物件に住んでいるなら、そこで支払っている家賃を目安に借入可能額を考えることもできます。たとえば家賃を月9万円支払っているとします。仮に金利が1%・借入期間35年・元利均等返済で住宅ローンを組む場合には、借入額3,200万円で月々返済が90,331円です。

しかしマンションには管理費・修繕積立金がかかります。管理費・修繕積立金が月々1.2万円であれば、その金額を加味すると借入額は2,750万円です。

MEMO
このように、ローン支払いのシミュレーションサイトなどを利用して、自分が現在支払っている家賃から借入可能額を算出してみましょう。
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マンション購入と頭金に関する注意点

マンションを購入する際に頭金は多ければ多いほど、その後の住宅ローン支払いは楽になります。しかし頭金を多く支払い過ぎることで、今後の生活に支障が出るのは避けるべきです。

またマンションを購入する際は住宅購入の初期費用も計算に入れておく必要があります。この章ではマンション購入と頭金に関する以下の注意点について解説します。

マンション購入と頭金に関する注意点
  1. 頭金を支払うタイミングについて
  2. 毎月の返済額をしっかりシミュレーションしておこう
  3. 頭金ゼロのリスク
  4. 資産を全て頭金にするのはやめよう

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頭金を支払うタイミングについて

頭金を支払うタイミングは一般的に手付金の支払い時と引き渡し時です。マンションを購入する場合は手付金として売買契約時に物件価格の5%~10%を支払います。

たとえば3,000万円のマンションを購入するときに、頭金を300万円入れるとします。仮に手付金が150万円であれば、その150万円は引き渡し時に頭金へ充当されます。つまり引き渡し時は残りの150万円を支払えば良いというわけです。このような流れになるので頭金は手付金の支払い時と引き渡し時になります。

 

繰り返しますがマンション購入時は別途初期費用がかかるからね。初期費用が120万円かかるなら、頭金とは別に引き渡し時に120万円が必要になるので注意しましょう。

 

毎月の返済額をしっかりシミュレーションしておこう

次に毎月の返済額はしっかりとシミュレーションしておきましょう。というのも借入可能額は返済可能額ではないからです。たとえば、不動産会社の営業担当者に促されて、借入額3,000万円で住宅ローン審査をしたとします。

仮に3,000万円の審査に通ったとしても、その金額は単に金融機関の審査に通っただけで返済可能額ではありません。そのため自分自身でプライベートの収支を加味して、返済可能額をしっかりシミュレーションすることが重要です。

 

たとえば子供の有無や年齢、自分自身の収入は安定しているか?など、人によって状況は違います。その点は自分の状況に合わせてしっかりシミュレーションすることが重要です。

 
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頭金ゼロのリスク

上述したようにマンションは頭金ゼロで購入することもできます。しかし、頭金ゼロでの購入は以下のリスクがあることを理解しておきましょう。

頭金ゼロのリスク
  1. 利息が増える
  2. 残債が減りにくい

まず頭金ゼロにすることで借入額が増えるため、支払利息が増えるという点です。これはローンシミュレーションして、総支払利息を確かめる必要があります。また頭金ゼロだと住宅ローンの借入額が多くなるので、なかなか残債が減りません。そのため将来的にマンションが売りにくくなります。

というのもマンションは残債を完済しないと売れないので、売値を充当しても残債があるなら手持ち資金から捻出する必要があるのです。頭金ゼロだと残債が多くなりやすいので、売却時に手持ち資金を捻出する可能性は上がるでしょう。言い換えると手持ち資金がないならマンションを売りたくても売れない…ということです。

 

特に後者の「残債が減りにくい」というリスクは見落としがちだね。でも、割と大きなリスクだから注意しましょう。

 

資産を全て頭金にするのはやめよう

上述したように頭金は多ければ多いほど住宅ローンの返済は楽になります。しかし現在保有している全ての資産を頭金にするのはやめたほうが良いです。というのもたとえば今後病気になって休職したり、予期せぬ出来事で大きな出費があったりするかもしれないからです。

そのため会社員の場合は3~6か月程度は生活が維持できる貯蓄、自営業者は仕事ができなくても半年以上は生活できる貯蓄は残しておくのが理想でしょう。

 

要は突然収入が下がったりゼロになったりしたときのために、貯蓄を確保しておく…ということですね。

 
 

その通り!仮に住宅ローン返済を滞納すれば、最悪の場合は強制的に競売にかけられることになるからね。

 

 

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住宅ローンは長期返済になるため定期的にプランを見直すようにしよう

住宅ローンは30年以上の長期返済になることが多いです。しかし変動金利なら金利(返済額)が変わっていきますし、自分自身の年収もどんどん変わっていきます。そのため長期的なスパンで「自分にあった返済プラン」を定期的に見直していく必要があります。その点については以下を知っておきましょう。

知っておくべき住宅ローンの見直しポイント
  1. 繰上げ返済
  2. 住宅ローン返済条件の変更
  3. 低金利に乗り換え

詳しく解説していきます。

繰上げ返済

給与やボーナスなどが上がり手持ち資金に余裕がある場合は「繰り上げ返済」がおすすめです。繰り上げ返済とは住宅ローンの元本の一部を前倒しで返済することです。たとえば住宅ローンを組んだ5年後に繰り上げ返済をして、元本を一気に200万円減らす…というイメージになります。

繰上げ返済のメリットは利息が大きく減ることです。というのも住宅ローンの月々返済額の内訳は「元本+利息」ですが、繰り上げ返済は元本を直接減らすことできるからです。

MEMO
元本を減らした分は月々返済額を変えずに返済期間を短縮させるか、返済期間は変えずに月々返済額を減らすか…どちらかを選択することが可能です。
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住宅ローン返済条件の変更

住宅ローンの返済条件は定期的に見直した方が良いです。具体的には現在のプランで無理なく返済していけるのか?他にもっと低金利で借りられるところはないのか?を検討します。見直す際はフィナンシャルプランナーに相談する方が良いでしょう。無料で相談できるファイナンシャルプランナーも多いので、ネットで探してみることをオススメします。

MEMO
ファイナンシャルプランナーであれば「将来的な支出」も加味したプランを検討してくれるので、出産・転職など状況の変化などにも対応できるでしょう。

低金利に乗り換え

また金融機関を変えること…いわゆる借り換えることで金利が低くなり、支払総額を減額できる可能性もあります。「金融機関名 借り換えシミュレーション」などと検索すれば、借り換えたときにどのくらいメリットがあるか簡単に分かります。

MEMO
毎年1回…少なくとも数年に1回くらいのペースでは、住宅ローン返済条件の変更は定期的に見直しましょう。
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まとめ

この記事ではマンションを買う際の頭金の割合や、住宅ローンの返済可能額を検討する基準などについて解説しました。頭金は2割程度が一般的ですが、もちろん人によって金額は異なります。また借入可能額も頭金と同じく、人によって理想の金額が異なります。

大事なことは「自分にあったプラン」を入念に考えることです。マンションを買う際は自分の理想と現実を擦り合わせ、自分にとっても家族にとっても一番良い方法を選びましょう。