- 自分用として売るか投資用として売るかで売却時のポイントが異なる
- ワンルームマンションの売却のタイミングは今が良い
- 一括査定サイトを利用して複数の不動産会社へ査定依頼して見ると良い
ワンルームマンションを所有している人の中には投資用として所有している人もいれば、自分用として所有している人もいるでしょう。 そんなワンルームマンションを売却する人は投資用として売却するのか?自分用(居住用)として売却するのか?を見極めなければいけません。
なぜなら投資用として売り出すのか自分用として売り出すのかで、売却時のポイントや注意点などが変わってくるからです。
この記事ではワンルームマンションの売却を検討している人に向けて、ワンルームマンションの売却を投資用・自分用に分けて解説していきます。
ワンルームマンションの売却には投資用と自分用がある
ワンルームマンション売却は投資用と自分用の2種類あります。 厳密にいうとワンルームマンション以外でも投資用と自分用の2種類ありますが、ワンルームマンションは特に投資用・自分用(居住用)を区別しなければいけません。
というのもワンルームマンションは「購入して住む人」よりも「賃貸して住む人」の方が多いからです。つまり「自分(居住)用」として購入するよりも、投資用として購入するケースが多いということです。
しかしワンルームマンションは賃貸需要も高いため、自分用として購入したものの売り出すときは投資用として売った方が良いケースもあるのです。 ワンルームマンションを自分用・投資用で売却するときのポイントを以下より詳しく見ていきましょう。
自分用のワンルームマンションを売却するポイント
まずは自分用のワンルームマンションを売却するポイントを以下2つの項目で解説していきます。
- 自分用ワンルームマンションを売却する流れ
- 自分用ワンルームマンション売却時の精算金や税金
はじめにポイントをいっておくと自分用ワンルームマンションは3,000万円の特別控除を利用できる点に強みがあります。
ただワンルームマンションを居住用として購入する人は少ないので、なかなか売れない場合は賃借人を付けて投資用として売却する方法もあります。
自分用のワンルームマンションを売却する流れ
自分用のワンルームマンション売却時の流れは以下の通りです。
- 不動産会社へ査定依頼する
- 媒介契約を結ぶ
- 売却活動
- 申込み~契約
まずは不動産会社へ査定依頼して売却時の目安価格を聞きます。そして仲介を依頼する不動産会社を選定して、その不動産会社と媒介契約を結びます。 その後チラシやネット広告などでマンションを告知し内見者を募るという、いわゆる「売却活動」をスタートさせるという流れです。
そして検討者と価格や引渡し日を交渉して合意します。その後、申込み・契約・引渡しをしたら、ワンルームマンションの売却は完了となります。
大まかな流れは投資用ワンルーム売却時も同じなので、上記は頭に入れておこう。
自分用のワンルームマンション精算と税金について
次に自分用ワンルームマンション売却時に知っておくべき精算金と、譲渡所得税について解説します。 ポイントは自分用のワンルームマンションとして売却すると、税金の特例を利用できる点です。
しかし投資用として売却すると税金の特例は利用できないため、特例を利用したい場合はそのまま自分用ワンルームマンションとして売り出すと良いでしょう。
自分用ワンルームマンション売却時と精算金
自分用ワンルームマンションの売却時は以下を清算します。
- 固定資産税・都市計画税(固都税)
- 管理費と修繕積立金
固都税は売主が1年分支払うので引渡し日以降を案分して買主へ請求します。 また、管理費と修繕積立金は前月末に当月分を先払いしています。 そのため仮に引渡しが月の中日であれば引渡し日~月末までの精算金を買主に請求するというわけです。
これらの費用請求は仲介してくれる不動産会社が主導します。しかし、稀に買主へ請求しない不動産会社もいるので、その際は指摘してあげましょう。
譲渡所得税
ワンルームマンションなど不動産を売却したときは以下の計算式で算出します。譲渡所得(≒売却益)がプラスであれば税金がかかります。
税率は以下の通りワンルームマンションの保有期間によって異なるため、できるだけ長期保有の状態で売った方が良いです。
税の種類 | 長期保有(売却した年の1月1日時点で5年超) | 短期保有(売却した年の1月1日時点で5年以下) |
所得税率 | 15% | 30% |
復興特別所得税率 | 所得税額×2.1% | 所得税額×2.1% |
住民税率 | 5% | 9% |
また居住用の不動産の売却時は「3,000万円の特別控除」を利用できる場合があります。この特例を利用できれば譲渡所得は3,000万円マイナスされるので、大半のケースで税金は発生しないでしょう。
この辺りは仲介してくれる不動産会社にヒアリングしたり自分で国税庁のサイトで確認したりすることが重要です。この章で自分用ワンルームマンション売却時の流れやポイントが分かったと思います。
投資用のワンルームマンションを売却するポイント
次に投資用ワンルームマンションを売却するときのポイントも、自分用ワンルームマンション売却時と同じ以下を見ていきましょう。
- 投資用ワンルームマンションを売却する流れ
- 投資用ワンルームマンション売却時の精算金や税金
はじめにポイントをいっておくとワンルームマンションは自分用に購入するよりも投資用として購入する人の方が多いです。そのため自分用として売るよりも投資用として売る方が検討者は多いでしょう。
ただし繰り返しになりますが3,000万円の特別控除を利用できない点には注意が必要です。
投資用のワンルームマンションを売却する流れ
基本的には投資用ワンルームマンションを売却する流れも自分用ワンルームマンション売却時と同じく以下の流れになります。
- 不動産会社へ査定依頼する
- 媒介契約を結ぶ
- 売却活動
- 申込み~契約
ただし投資用として売り出すので入居者がいる点や賃料などを記録したレントロールという資料が必要な点は覚えておきましょう。
レントロールは仲介会社がフォーマットをくれるので、前もって自分で作る必要はありません。ただ、投資用として売る場合はレントロールという新たな資料が必要な点は認識しておきましょう。
投資用のワンルームマンション精算と税金について
投資用ワンルームマンション売却時も自分用ワンルームマンション売却時と同じく精算金と税金について知っておきましょう。
精算金について
投資用ワンルームマンション売却時も自分用ワンルームマンション売却時と同じく固都税と管理費・修繕積立金の精算があります。
またそのほかに賃料と敷金の精算がある点も覚えておきましょう。賃料は入居者からの賃料のことで、基本的には当月分を前月末にもらっているはずです。
そのため月の中日に引き渡した場合は、引渡し日~月末までの賃料は買主(新たなオーナー)に渡さなければいけません。 敷金は賃借人から預かっているお金なので、そのまま買主に承継することになります。
税金について
税金については上述したように投資用の場合は3,000万円の特別控除を利用できないため、場合によっては税金が高額になります。
また、たまたま賃借人が退去したので3,000万円の特別控除を受けるために一時的にワンルームマンションに移住しても意味はありません。 なぜなら「自己居住用」に見せかけても主たる目的が投資用の場合は、3,000万円の特別控除は適用対象外だからです。
自己居住用に見せかけるとバレるんですか?
自己居住用かどうかは税務署が住民票で判断するよ。だから「住民票を移して3か月しか経っていないのに売却した」など住民票を移したタイミングでバレる可能性は高いね。
ワンルームマンションの売却のタイミングは今が良い
前項までで自分用・投資用ワンルームマンション売却時の流れや注意点が分かったと思います。次にワンルームマンション売却のタイミングについて解説していきます。
結論からいうとワンルームマンションは自分用も投資用も今が売り時です。その理由は現在のワンルームマンション価格は高い水準であり、低金利が続いている「買いやすい」時期だからです。
ワンルームマンションは人気が上がっている
日本不動産経済研究所が発表した2019年11月の資料によるとマンション価格は過去20年以上遡っても最も高水準です。しかし今後は緩やかに価格が下落していくと予測されているのです。
また東京23区では「ワンルーム規制」というルールがあり、そう簡単にワンルームを建築することができません。ただワンルーム規制があるからといって、ワンルームの「需要」が低くなるわけではありません。
つまり今はそもそもマンション価格が高い水準である上に、ワンルームマンションは需給バランス的に人気があるため、より高く売りやすいというわけです。
東京オリンピックの影響と低金利が続いている
東京オリンピックは延期されてしまいましたが依然として低金利は続いています。さらにコロナウイルスの影響によって、現段階で金利を上げることはないでしょう。
というのも、そもそもマイナス金利制作を導入して金利を下げたのは世の中にお金をたくさん回して景気を良くするためです。
今回のコロナウイルスによって景気が低迷することはほぼ間違いないため金利を上げることは考えにくいのです。そのため低金利という理由で不動産の買い手も増える可能性があります。
このようにワンルームマンションは現在高い金額で売れる可能性が高い上に、買い手側も低金利なので買いやすいという状態なのです。
なるほど!でも、今後もっと価格が上がる可能性はないんですか?
もちろん価格が上がる可能性はゼロではないよ。ただ不動産経済研究所の予測でも緩やかに下がっているし、そもそも現在の価格は高い水準だから、近いうちに売る予定なら今売った方が無難といえるよ。
ワンルームマンションの売却で知っておきたい注意点
次にワンルームマンションの売却時に知っておきたい以下の注意点について解説します。
- 投資目的の場合、賃料と利回りが大事
- 金利がなるべく低いタイミングに売却をする
- 競合物件が希望売却価格よりも高く売り出しているタイミングを狙う
- 不動産一括査定サイトを利用する
投資目的の場合、賃料と利回りが大事
1つ目の注意点は投資用の場合は賃料と利回りが大事という点です。というのも投資用ワンルームマンションの購入者は「年間賃料÷物件価格」で算出される利回りを重視するからです。
いくら物件価格が安くても賃料が安い場合は利回りも低くなります。そうなると購入者から「収益性の低い物件」と見なされ売りにくくなるのです。
このように投資用は賃料設定によって利回りが変わります。そのため早く賃借人を付けたいからといって賃料を安く設定すると、売却するときに苦労する可能性があります。
だからこそ、投資用として売る場合は家賃を適正価格に設定することは重要といえるよ。
金利がなるべく低いタイミングに売却をする
2つ目の注意点は金利が低いタイミングで売却することです。なぜなら、金利によって支払金額は全く違ってくるからです。 つまり低金利の状態で売却した方が、買い手はローン支払い額が安く済むので売却しやすいということです。
そのためワンルームマンションを売却するときは不動産の全体市況や競合物件状況のほかに、金利も注視しておくと良いでしょう。
競合物件が希望売却価格よりも高く売り出しているタイミングを狙う
3つ目の注意点は競合物件が自分の希望売却価格よりも高く売り出しているタイミングを狙うことです。 なぜなら競合物件が高く売り出していれば、検討者はその「高い物件」と比較してくれるからです。
そのため自分の希望売却価格が相対的に安く見えるため売りやすいのです。 上述したように現在のマンション価格は高水準です。ただし売却価格は競合物件の価格にも左右されるため、競合物件がいくらで売り出されているかは重要になります。
ワンルームマンションの売却を検討しはじめたら、ネットなどで売り出し物件を定期的にチェックしよう。そうすれば競合物件が高く売り出したタイミングを察知できるよ。
不動産一括査定サイトを利用する
4つ目の注意点は不動産一括査定サイトを利用することです。 不動産一括査定サイトとは査定する物件の情報などをネット上から入力するだけで、簡単に複数の不動産会社へ査定依頼できるサイトです。
逆に不動産一括査定サイトを利用しないと複数の不動産会社へ電話したり訪問したりする必要があるので面倒です。 そのため自分用も投資用も不動産一括査定サイトを利用して手間なく査定依頼するようにしましょう。
まとめ
このように賃貸需要も高いワンルームマンションを売却するときは、自分用として売るか投資用として売るかで売却時のポイントが異なります。
特に自分用として売った場合は投資用よりも検討者が少なくなる可能性があるものの、3,000万円の特別控除を利用できる点は覚えておきましょう。
一方投資用は検討者が比較的多いものの3,000万円の特別控除を利用できないため、高い税金を支払う可能性があります。 これらの点を理解した上で一括査定サイトを利用して複数の不動産会社へ査定依頼して見ると良いでしょう。