- リビング階段のメリット「リビングを有効活用できる」「開放感満点にできる」「家族の様子を把握しやすい」
- デメリット「プライバシー確保が難しい」「冷暖房効率が悪い」「ニオイや音が伝わりやすい」
- リビング階段を検討する際は、家族のライフスタイルや子供の成長などを踏まえ、実際にモデルハウスを見学するのが良い
リビングの中にある階段は、デザイン性もたかく目を引くものです。
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浜崎編集長
リビング階段は、見た目のインパクト以外にもメリットが多くあります。
理由は後述しますが、リフォーム時に我が家にも設置してみたい、新築の際に取り入れてみたい、とリビング階段の人気が最近増えつつあることをご存知でしょうか。
今回の記事では、リビング階段を設置するメリット・デメリット、さらにリフォーム費用やリビング階段の寒さ対策まで解説します。
リビング階段を導入する際、参考にしていただけたら幸いです!
リビング階段(リビングイン階段)とは
リビングの中に階段があるリビング階段は、玄関から2階に続く階段とは異なり、リビングを通過することが特徴。家族の集まるリビングに階段があるというのも大きなポイントです。
最近リビング階段を取り入れたい、という人が多くなってきました。リビング階段の人気の裏には、ライフスタイルの変化や住宅の性能が関係しています。
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二人の会話のように、帰宅してそのまま自室に直行なんて人は多いです。玄関脇に作られた階段は、家族と顔を合わせることなく帰宅や外出が可能。いつ帰って来たのか、いま部屋にいるのかどうかもわかりません。さらに共働き夫婦なら、家族で食事をとる回数も減っていきます。
そうした中、リビング階段を作ることで、家族が顔を合わせる機会はぐっと多くなっていきます。
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浜崎編集長
言葉はあまり交わさなくても、表情やしぐさを見れば体の調子、疲れていないかなども気がつきやすいです。
一昔前までは、リビング階段は、冷暖房の効率が悪いと言われていました。しかし、最近では住居の気密性と断熱性は向上しており、リビング階段の導入も積極的に検討できるようになってきたのです。こうした背景が理由で、リビング階段の人気が高まってきています。
現在と昔の住宅事情を表にまとめます。
昔 | 現代 | |
住居の変化 | 気密性が低い | 気密性が高い |
断熱性が低い | 断熱性が高い | |
大所帯で広いリビング | 核家族化で狭いリビング | |
家族間のコミュニケーションの変化 | 居間で団らんする時間が多い | ・自室やスマホの普及で、コミュニケーションが少ない ・共働き夫婦の増加により、顔を合わせる時間が少なくなっている |
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画像で見るリビング階段の実例・設置場所
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リビング階段なら家族と顔を合わせる機会が増えます
リビングに設置されているため、自室にいくには必ずリビングを通ります。家族と顔をあわせる機会も、コミュニケーションも増えることに。
家族の存在を感じやすいリビング階段。家族の出入りが分かるから、自然とコミュニケーションが増えるのが特徴の一つ。図面だけでは分からない魅力がそこにあります❗️ #住まいず #梅村工務店 pic.twitter.com/S0jWErRzE4
— 有村康弘@木造住宅住まいず11.5代目 (@11_5daime) January 17, 2021
リビング階段 スケルトンの実例
スケルトンは解放感があります。
https://twitter.com/yamato_muko/status/1406802302086696960
Instagramを更新しました!
「階段」
人気の高いスケルトン階段。
階段そのものがインテリアのポイントになり、開放的な空間が演出できます。https://t.co/fFiRlsNHCb#Instagram#スケルトン階段#リビング階段 pic.twitter.com/Gn1ea7tfWJ— ヤマト住建 武庫之荘店 (@yamato_muko) November 30, 2021
リビング階段 収納実例
リビング階段のデッドスペースを活用しています。
アイランドキッチンのあるLDKの内装プランです。リビング階段下に収納とペットコーナーをつくり、空間を有効利用しています。
【 DATA 】
年齢 : 40代
家族 : ファミリー
住宅 : 戸建て
広さ : 5LDK
希望 :・ワンちゃんのゲージ置き場や収納をふやしたい
・今ある家具を使いたい pic.twitter.com/JSJdoGTSgq— しかまのりこ (@jyoseinotameno1) August 29, 2020
リビング階段の設置場所は工夫次第!
リビングの、端に設置されたリビング階段。主張も少な目。リビング階段を設置するスペース確保のために階段部分のスペース分リビングが広がりました。
この部分が壁になってしまうと、リビングは狭くなってしまうのがわかりやすい写真です。
https://twitter.com/uracmodern/status/1051767559245070336
リビング階段の6つのメリット
リビング階段は、デザイン性に目がいきがちです。しかしメリットはそれだけではありません。
この章では、リビング階段にすることのメリットを紹介していきます。思っている以上にメリットは多いため、リビング階段の導入に迷っている方は改めて確認していきましょう!
リビングが広く見える
リビングに階段を設置すると、リビングが狭くなるのでは?と思っている方も多いはず。リビングの中に階段のスペースを取る必要があるので、実際は2畳ほど広くなります。
しかも、縦の空間も確保するため、開放感があり実際の2畳分の広さより解放感が得られます。
デザイン性が高い
リビング階段のインパクトは強いため、リビングのアクセントとなりおしゃれな空間を作ります。またモデルルームのようなリビングに憧れている人も多いため、リビング階段のある部屋に人を招くと、羨望の的になることもあるのでは。
一般的に、階段は1Fと2Fとの移動手段であり、転ばないように、ゆるやかにしたり滑り止めを施したりするくらいで、室内インテリアとは程遠いものです。
しかしリビング階段は、見せる階段、インテリアとしての階段といった要素も多くあります。中でも「ストリップ階段+吹き抜け」は、開放感が高くおしゃれなリビングには最適の組み合わせ。
ストリップ階段は(別名スケルトン階段)段板と、ささら桁だけで構成されたものです。蹴込み板がないため、階段が空中に浮かんでいるようにみえるほど開放感があります。
ストリップ階段を導入したなら、デザイン・機能性で相性のいい吹き抜けを導入するのがおすすめです。明るさを確保するために吹き抜けにすると、ストリップ階段のメリットを存分に享受できるようになります。
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浜崎編集長
家族の顔を見る機会が増える
リビング階段は、リビングの中に設置されているため、帰宅時も外出時もリビングを通る必要があります。会話するほど時間がなくても、家族が顔合わせると何かホッとしますよね。
「ただいま」や「いってらっしゃい」と声をかけるだけでも、気持ちは穏やかになるものです。
1階と2階のコミュニケーションが取りやすい
玄関近くに階段があると、家族と顔を合わせずに帰宅することも外出することも容易です。しかし、リビング階段ではリビングを通過しますので、必ず顔をあわせることになります。ちょっと喧嘩した日でも、顔をあわせることで早く仲直りできそう。
また顔色が悪い、様子がおかしいなど、普段と違うことにも気づきやすくなります。何気ない会話をとることがコミュニケーションでは大切なこと。リビング階段なら、そうした機会が自然と発生しやすくなりますね。
吹き抜けとの相性が良い
リビング階段は、室内を広くみせる効果があります。さらに2階からの彩光をより多くする吹き抜け構造は、スケルトンタイプのリビング階段などとの相性も抜群。
リビングに光が多く入るようになりいっそう室内が明るくなります。
階段下のスペースを活用できる
リビング階段の階段下スペースは、天井が斜めになっているため使いづらいといった声を聞きます。そのため階段下スペースは、デッドスペースになりがち。
しかし、収納ボックスを積み重ねたり、小さなワークスペースとして利用するとデッドスペースを活用できます。また飾り棚を配置するなどアイデア次第で、有効活用が出来ます。ぜひ皆さんのアイデアで、素敵な空間に作り上げてください。
リビング階段の3つのデメリットとその対策
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浜崎編集長
一部のデメリットの中には「建築前」ではないと対策しにくいものがあります。建築後に、事前に知っておけばよかったと後悔しないようにしてくださいね。
冷暖房効率が悪い(寒くなりがち)
リビング階段の場合、一番気になるのはリビングの開放感がゆえに冷暖房の効率が悪くなる点。
冷たい空気は上から下に流る性質があります。そのため2Fからの冷たい空気が1Fに降りてリビング全体が寒くなりがち。
リビングの寒さ対策は、建築前にできるものと、建築後にしかできないものがありますので、次章で詳しく解説していきます。
ニオイや音が伝わりやすい
またリビング階段の場合、料理のにおいや生活音が階段を通して2階に広がってしまうことも。
なるべくキッチンをリビング階段から遠ざけたり、強力な換気扇を使用し、においの充満をふせぐようにしてください。
リビング階段の入り口にドアをとりつけることで、料理のにおいだけでなく音の広がりも防ぐ対策になります。
浜崎編集長
プライバシー確保が難しい
リビングは、家族の集まる場所であり、一家団欒のスペースです。しかし、リビングに階段があると、子供の友人が遊びに来た時もリビングを通ります。そのため、リビング階段の設置に後悔している人やストレスを抱えている人も多いです。
家族がくつろいでいる中、子供の友達がリビングを行き来するのは抵抗がありますよね。寝起き姿や、すっぴんの状態でいられなくなりますし、何といっても落ち着かない。リビングを汚されたくないという人もいらっしゃいます。
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浜崎編集長
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家族のコミュニケーションを取りやすくするリビング階段。設置場所をどこにするか、設置前にじっくり検討しましょう。
リビング階段の寒さ対策(建築前)
ここからは、前の章で少し触れた「リビング階段の寒さ対策」について解説していきます。リビング階段の導入を検討している人が、寒さ対策として建築前にやっておきたいことをまとめています。
対策 | 補足・効果 | |
リビングの寒さ対策 | 床暖房の設置 | 冷気は下に溜まる性質があるため、床暖房で足元を暖める |
リビング階段に実施できる寒さ対策 | 階段の出入り口に引き戸を設置する | 2階から降りてくる冷気を遮断する |
昔に比べると気密性や断熱性は向上したとはいえ、木造中心の戸建て住宅において、寒さ対策は必須です。
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こちらのページで、さらに詳しい内容を解説しています。ぜひ参考になさってください!
リビング階段の寒さ対策(建築後)
すでにリビング階段を設置されている場合の、寒さ対策についても表でまとめてみました。選択肢としては4つほどありますが、デザインや空きスペースなども踏まえて検討することをおすすめします。
対策 | 補足・効果 | |
カーテンの取り付け | カーテンをリビング階段の途中に取り付ける | カーテンレールを天井に設置する必要がある |
のれんの取り付け | のれんをリビング階段の途中に取り付ける | 突っ張り棒を使用し、のれんを取り付ける。安価でできるのがメリット。カーテン取り付けなどの前の暫定対策として。 |
ストーブを配置 | ストーブを1Fのリビング階段の前に設置 | 2Fから降りてくる冷気を遮断する効果。灯油代や電気代などのコストがかかる。 |
サーキュレーターを使用 | リビング階段に向けて設置 | サーキュレーターを使用し、暖かい空気を循環させる。 |
リフォームでの費用相場
リビング階段は、新築のタイミングだけでなくリフォームでも設置できます。リフォームでリビング階段を設置したい場合は、どの程度の費用がかかるのか気になりますよね。
浜崎編集長
リフォームでリビング階段を設置する際にかかる費用
リフォーム内容 | 費用 | 補足 | |
リビング階段 | リビングの固定階段の架替え | 60~90万円 | 材料費+施工費用 (既存の階段撤去などの諸経費含む) |
スケルトン鉄骨階段の架替え | 60~70万円 | 材料費+施工費用 (既存の階段撤去などの諸経費含む) | |
手すり | 手すりの本体価格 LEDなし | 3.8~4.5万円 | なし |
手すりの本体価格 LEDあり | 12~15万円 | なし | |
手すりの取り付け・交換の費用 LEDなし | 4.5~5万円 | 取付工事費用、下地の補強費用、電気工事費含む | |
手すりの取り付け・交換の費用 LEDあり | 6~7万円 | 取付工事費用、下地の補強費用、電気工事費含む | |
扉 | 上吊り戸の引き戸 | 15~20万円 | 部屋の天井にレール枠を取り付け、引き戸をはめ込む |
上吊り戸のスクリーンウォールの引き戸 | 20~30万円 | 部屋の天井にレール枠を取り付け、引き戸をはめ込む | |
階段のロールスクリーン | 0.8~1万円 | なし |
まとめ
リビング階段を設置する費用やメリット・デメリットについてお伝えしました。導入の際には、デザイン性の高さだけでなくデメリットについてもよく検討しましょう。
事務員
浜崎編集長
事務員
とは言え、リビングを有効活用できたり、開放感満点にできたり、家族の様子を把握しやすかったりとメリットもたくさんあるのは事実。
それでも、プライバシーや寒さを理由に「リビング階段の設置はやめればよかった」といった人もいらっしゃいます。
リビング階段の導入を検討するにあたっては、家族のライフスタイル、お子さんの成長などを踏まえ、実際モデルハウスで見学することもおすすめします。
モデルハウスで実際目に触れると、写真などでは感じなかったことにも気が付くことでしょう。
ところで、この記事を読んでいる方はなぜリビング階段を検討されるのでしょうか?家族に喜んでもらいたいから?快適な暮らしにこだわっているから?人に自慢したいから?
人によって目的は異なりますが、だからこそ実物を見ながら自身の目的に沿うのかどうかを検討するべきです。「思っていたのと違う!」なんて後悔のないよう、じっくり検討していきしまょうね。