- 水回りのリノベーションは、商品選びが費用を大きく左右する
- 水回りのリノベーションでは工事代を抑えることも大切
- リノベーションが出来ないケースがあることに注意
キッチン、お風呂、トイレ、洗面などの水回りは、毎日の生活で欠かせない存在です。使用頻度も高いため、リノベーションの満足度を左右します。種類が豊富で、全ての希望を盛り込んだ仕様にすると費用もかさみがちなため、何を優先すれば良いか迷っている人も多いことでしょう。
栗埼編集者
水回りのリノベーションにかかる費用の相場は?
水回りのリノベーションにかかる費用は、おおまかに以下の項目で構成されています。
- 商品代(グレードによって左右される)
- 工事代(施工範囲や工事内容、施工業者によって左右される)
せっかく行うリノベーション。希望を全て叶えようとすると想像以上に費用が高額になってしまうこともあります。そうならないためにも、しっかりと予算を把握することが大切です。
栗埼編集者
【キッチン】リノベーションにかかる費用の相場
キッチンには、コンロとシンクの位置や設置方法からI型、L型、アイルランド型キッチンなどと呼ばれる複数の種類があり、設置できるスペース、よく使う人の動線、手入れの頻度などでおすすめのキッチンは異なります。
例えば、スペースに限りがありコンパクトに設置したい人には、コンロとシンクが一列に並んでいるI型キッチンがよく選ばれます。一方、キッチンを設置する充分なスペースがある場合には、『島』(アイランド)のように独立していて、開放感を感じながら料理を行えるアイランド型キッチンが人気です。
人気メーカーのキッチン
– | 標準 | 高級 |
LIXIL | アレスタ(約74万~ ) | リシェルSI(約93万~) |
パナソニック[栗崎4] | リフォムス(103万~) | L-Class(約123万~) |
クリナップ | ステディア(約79万~) | セントロ(約119万~) |
参考:リフォームのリノコ
キッチンは、シンク、水栓、コンロ、食器洗い乾燥機などの複数の機器を設置でき、グレードによって機器の性能や種類は異なります。さらにデザインも豊富で、トップの天板に手入れしやすいステンレスや、滑らかなセラミックや人造大理石を使用したり、収納スペースを二段にしてデッドスペースをなくしたりと各社工夫をこらしています。価格帯は大体3段階に設定されていることが多く、高級なものだと100万円以上かかります。
水回りのリノベーションには商品代だけではなく工事代金がかかりますが、キッチンを移動させずに丸ごと交換するならば約20~30万円程度が目安。工期は約3~7日程度で完了します。
【風呂】リノベーションにかかる費用の相場
– | 工事代 | 本体価格(LIXILの場合) | 工期 |
浴槽のみ | 約10~35万円 | 約5~50万円 | 即日 |
ユニットバスごと交換 | 約50万円 | 約65~100万円
※ユニットバス価格 |
約5日 |
ユニットバスへ変更 | 約60万円 | 約65~100万円
※ユニットバス価格 |
約7日 |
お風呂のリノベーションでは、現在の仕様と変更後の仕様が異なったり、変更箇所を増やしたりすると工事費が高くなります。また、商品代は商品の素材やオプションなどで大きく変わってきます。
栗埼編集者
一番、費用が高くなるのはタイル張りのお風呂をユニットバスへ変更するケース。撤去費用などで費用がかさみ、ユニットバスからの交換と比較して10万円程度費用が高くなります。
[ad08]【トイレ】リノベーションにかかる費用の相場
人気メーカーのトイレ
– | パナソニック | LIXIL | TOTO |
商品名 価格 |
アラウーノ
約18~38万円 |
アメージュZ
約21~35万円 |
ピュアレストQR
約18~29万円 |
参考:リショップナビ
トイレのリノベーションでの工期は、洋式トイレ本体の交換だけならば大体即日で完了します。交換工事代の目安は約4~5万円程度と水回りの中では比較的安いです。
リノベーション費用を大きく左右するのは、トイレ本体のグレードと内装工事代です。トイレの壁や床は、目に見えなくても年月とともに汚れているもの。クロスや床を張り替えると工事代はかさみますが、トイレ本体の交換と同時に工事をしてしまった方が、結果として費用を抑えられます。
【洗面】リノベーションにかかる費用の相場
洗面台の価格は間口の大きさや収納力などで変わります。
栗埼編集者
工事代は施工面積、つまり洗面台の大きさによって差がありますが約3~10万円程度が目安です。交換だけならば工期は即日で完了します。トイレなど他の水回りと同じように内装も交換する場合には、費用も工期もかかることに注意しましょう。
[ad09]水回りのリノベーション費用を抑えるコツ
水回りのリノベーションには商品代と工事代とがかかります。それぞれにまとまった金額が必要で、出来る限り抑えたいところです。ここでは、リノベーション費用を抑えるコツについて4つ紹介します。予算内でリノベーションが出来るように活用してみてください。
移動は最小限に抑えよう!
リノベーション時に費用が嵩む大きな原因の一つは、水回り自体を動かすことです。
例えば、「壁付けキッチンをオープンキッチン」に変更する場合には、シンク、コンロ、換気扇を動かなければなりません。それに伴い、水栓・ガスの配管や電気の配線を移動したり、場所によってはフローリングやクロスの交換をしたりと様々な追加工事が必要ですが、この場合の追加工事代の目安は約20~30万円程度 です。
栗埼編集者
外食となると別途食費がかさむこともあります。リノベーションにかかる費用を抑えたい場合は、できる限り設備の場所は変えずに工事内容を減らす工夫をすることをおすすめします。
[ad10]既製品を活用しよう!
自分の好きな設備を選んだり、細かいデザインにもこだわりを反映できたりするオーダーメイドキッチンは、キッチン本体代だけで数百万円するなど費用がかさむ原因になります。最近では、各メーカーが比較的リーズナブルに購入できるシステムキッチンをセット販売しています。
栗埼編集者
例えば、国内メーカーで人気のパナソニックやLIXILの一番リーズナブルなグレードのものでは、以下の価格になります。
– | 価格 | オプション
(食器洗い乾燥機) |
パナソニック
ラクシーナ |
84万円~ | 20万円 |
LIXIL
シエラS |
56万円~ | 17万円 |
食器洗い乾燥機はオプション扱いですが、両社ともにオーダーキッチンよりも費用を抑えることが可能です。カラーなども複数から選ぶことができてデザインも多様なので、部屋のインテリアにも合わせられます。
相見積もりを取ろう!
リノベーションにかかる工事代は、業者によって全く費用感が異なる場合があります。
例えば「お風呂の工事でバスタブのみを交換する」場合 、約35万円で見積りを出す業者がいる一方で約50万円という業者もあります。工事にかかる人件費、作業代など各社の計算方法の違いもありますが、バスタブと床との接合部の仕上げ方など、作業内容のクオリティや使用する材料の基準がそもそも異なることも、費用差を生み出している原因です。
栗埼編集者
補助金や減税制度を活用しよう!
水回りのリノベーションには、国の補助金や減税制度を活用できる場合があります。補助金や制度を適用するには、条件を満たす必要がある点に注意してください。ここでは、補助制度と減税制度の一例を紹介します。
①補助制度|長期優良住宅化リフォーム推進事業
既存の住宅をリフォームし長寿命化・省エネ化する場合、条件を満たすと補助金が出ることがあります。補助がでるリフォーム例としては、「構造躯体等の劣化対策」ではユニットバスへの交換や、「バリアフリーの改修工事」では手すりの設置などがあげられます。
工事をする業者が事前に事業者登録をしていることや、既存住宅状況調査技術者による建物状況調査を受けることなどの細かい条件があるほか、申請や工事の手順にも決まりがある点に注意が必要です。
②減税制度|住宅ローン減税など
リフォームローンや住宅ローンを組んだ場合に、償還年数など一定の条件を満たすと所得税の控除や固定資産税の減額を受けられることがあります。またローンを組んでいなかったり、償還年数の条件を満たさなかったりする場合も「投資型減税」として減税されることがあります。
栗埼編集者
水回りのリノベーションで注意すべきポイント
事務員
栗埼編集者
選べる設備に制限がある場合も
予算があっても建物の構造上、望んでいるリノベーションが出来ない場合があります。建物の中には、取り除けない柱や壁、水道やガスの配管を通せない箇所などがあるからです。
例えば「広々としたアイランド型のキッチンを住宅に新設したい」場合には複数の工事が必要ですが、新しく配管を通せない場所には作ることは出来ません。また「設置したいシステムキッチンがスペース内に収まらない」「予想以上にキッチンが場所をとり、通路やダイニングが狭くなる」など場所の問題もあります。
特にマンション などの集合住宅の場合は梁や配管の関係で、構造上水回りを動かせないこともあります。専有部分であっても管理規約で禁止事項が定められているケースもあるため、注意が必要です。事前に管理規約を確認し、わからなければ管理組合に問い合わせるようにしましょう。
栗埼編集者
また、管理組合だけでなく工事を担当する業者にも、同じことを確認することをおすすめします。
生活音が騒音問題につながる場合も
水回りを移動する際に、意外と見落としがちなのが「水の流れる音」です。特に、集合住宅の場合は注意が必要です。配管が通る場所によっては隣接する部屋に聞こえることもあり、自分では気づきにくいため、耐えかねた隣人から指摘されて発覚することもあります。
せっかくリノベーションを行っても、騒音問題につながったり、気を遣って水回りを自由に使えなくなったりするのは却ってストレスとなりかねません。リノベーションの工事の際に、相談しながら進めていきましょう。
使いやすい水回りにリノベーションする秘訣
水回りのリノベーションを成功させるためには、リノベーション後の生活をイメージすることが大切です。自分にとって、新しい設備や仕様が「本当に使いやすいかどうか」を判断する必要があります。
最近では、高性能で収納の種類も豊富な製品が多いですが、カタログを見ただけで決めてしまうと「もう少しここに収納が欲しかった」「作業スペースが予想より狭かった」など後悔する人も多いようです。リノベーションにはまとまった費用がかかるため、簡単にはやり直せません。後悔しないように、実際にショールームなどで実物を見てから決めることをおすすめします。