【最新版】マンション購入派、賃貸派!生涯コストではどちらがお得!

購入派と賃貸派。生涯コストではどちらがお得

居住形態については「購入」「賃貸」という選択肢がありますが、購入する場合はローンや税金の支払いが、賃貸する場合には家賃の支払いがあり、どちらの場合でも「住居費」がかかるのです。

家計や老後のことを考えれば、少しでも住居費を節約したいところですので、今回は購入と賃貸の比較でどちらのほうが生涯にわたる住居費がお得なのかについて解説します。

購入と賃貸の住居費を徹底比較!

 

購入する場合は住宅ローンを組むから返済には利息も考えないと…賃貸は家賃の他にも共益費や引っ越し費用も計算に入れて…あーっ!もう計算がややこしいっ!

 
 

確かに、ローン返済を何十年も継続する場合の利息も含めた総返済額など、多くの計算が必要になるから難しく感じてしまうかもしれないですが、実際の計算はケースバイケースになるとして、あるモデルを題材に試算をしていきます。

 

今回のモデルでは「3,000万円のマンションを購入VSライフステージに合わせた3か所の賃貸」で、50年間の生活における住居費(住宅ローン返済や家賃など、居住にかかる基本的なコストで、水道光熱費などは考慮しない)を比較してゆきます(詳しい条件は後述)。

実際の計算に際しては、金融機関のホームページにある「返済シミュレーター」などを利用すると、面倒な計算を省略することができます。

購入する場合の生涯コスト試算

購入の場合の条件
  • 購入するマンションの価格:3,000万円
  • 頭金:400万円(2,600万円の住宅ローン)
  • 住宅ローン返済期間:35年
  • 住宅ローン金利:年利2%
  • 住宅ローン繰り上げ返済:なし
  • マンション管理費等:月2万円/20年間、月3万円/30年間
  • マンション購入諸費用:マンション価格の3%(90万円)
  • 引っ越し費用:40万円
  • 団体信用生命保険料:総額190万円
  • リフォーム費用:総額300万円
  • 住宅ローン控除、すまい給付金:総額240万円(住居費より差し引き)

※簡易モデルであるため、一部の金額については簡略化しており、上記条件で50年間で計算すると、住居費の合計は以下のとおりです。

頭金 400万円
住宅ローン返済総額 3620万円
管理費等 1560万円
購入諸費用 90万円
引っ越し費用 40万円
固定資産税・都市計画税 420万円
団体信用生命保険料 190万円
リフォーム費用 300万円
住宅ローン控除・すまい給付金 ▲240万円
総額 6380万円
 

総額の半分以上が『住宅ローンの返済』で構成されていますね!

 
 

住宅ローンは1,000万円ほど利息の支払いのために支払っているね。借入額が大きく、金利が大きいほど返済総額はもっと上がる可能性があるります

 

賃貸する場合の生涯コスト試算

賃貸する場合のデータは以下のとおりです。

  1~10年目 11~25年目 26~50年目
家賃 10万円 12万円 8万円
共益費 1万円 2万円 1万円
更新料(1回) 10万円 12万円 8万円
敷金 10万円 12万円 8万円
礼金 20万円 24万円 16万円
仲介手数料 10万円 12万円 8万円
引っ越し費用 20万円 30万円 20万円

※更新料は「2年に1回、家賃1か月分」で計算、敷金は「家賃1か月分」、礼金は「家賃2か月分」、仲介手数料は「家賃1か月分」で試算します。

上記で50年間生活すると、住居費の合計は以下のとおりです。

  1~10年目 11~25年目 26~50年目
家賃 1200万円 2160万円 2400万円
共益費 120万円 360万円 300万円
更新料 40万円 72万円 88万円
敷金 10万円 12万円 8万円
礼金 20万円 24万円 16万円
仲介手数料 10万円 12万円 8万円
引っ越し費用 30万円 40万円 30万円
小計 1430万円 2680万円 2850万円
総額 6960万円

もし、11年目~25年目の家賃を9万円、共益費を1万円の物件にした場合だと、以下の計算になります。

  1~10年目 11~25年目 26~50年目
家賃 1200万円 1620万円 2400万円
共益費 120万円 180万円 300万円
更新料 40万円 54万円 88万円
敷金 10万円 9万円 8万円
礼金 20万円 18万円 16万円
仲介手数料 10万円 9万円 8万円
引っ越し費用 30万円 40万円 30万円
小計 1430万円 1930万円 2850万円
総額 6210万円
 

真ん中の15年間の家賃と共益費が4万円違うだけで、50年間で700万円も違ってくるんですね!

 
 

賃貸の場合は家賃の大きさがそのまま住居費の総額に大きく影響することがわかるね。もちろん家賃の安さだけが物件選びで重要なわけではないけれど、重要な要素の1つであることは確かだね。

 

両者を比較してみよう!

最後に、両者(賃貸は2パターン)の50年間の住居費を比較してみましょう。

購入 6380万円
賃貸① 6960万円
賃貸② 6210万円

賃貸を2パターンにしたのは、1個目を「子どもの成長に合わせて広い部屋に住み替えるパターン」、2個目を「教育費を考えて、子育て期間は家賃を抑えたパターン」にしています。

 

住居費を構成している条件がわかれば、50年先までの住居費支出の違いがわかるんですね!

 
 

今回はモデルケースで考えているから似通った金額になったけれど、条件次第では大きく差が生じるケースもあるから一概には言えません。

 

購入時のコストの内訳

 

マンションを購入する場合の住居費の内訳って、どうなっていますか?

 
 

ほとんどのケースでは『住宅ローン+利息』の返済が大部分として組み入れられるます。何十年と住むことを考えれば『修繕費・リフォーム費用』についても考慮する必要があります。

 

ローン返済

数千万円という買い物になるため、多くのケースで「住宅ローン」を組んで購入費用を賄うことになります。

住宅ローンの借入額は基本的に「マンションの購入価格-頭金」で計算されます(上記のケースだとマンション価格3,000万円-頭金400万円=2,600万円)。

場合によっては頭金なしで住宅ローンを全額借入るケースもありますが、借り入れの条件が厳しくなる可能性があるので、できるだけ頭金を用意しておくことをおすすめします。

 

頭金って大切なんですね、けど何百万円ってお金を用意するのは大変そう…

 
 

確かに頭金の用意は大変だけれど、きちんと用意できればさまざまなメリットがあります。詳しくは『住居費を少しでも節約するためには?』で説明します。

 

利息

住宅ローンを返済するにあたっては、毎月決まった「利息」を元本と一緒に支払うことになります。

利息は借入額や金利が高くなるほどに支払総額が増えてしまいますので、住居費について考えるうえでは金利0.1%の違いすら無視できません。

 

さっきのモデルケースだと、利息だけで1,000万円も支払っていましたよね…

 
 

住宅ローンは借入額が千万円単位になるから、必然的に返済期間も長くなるから支払利息総額もどうしても高額になってしまいます。でも、これを節約できれば、住居費を節約できる可能性があることも事実だよ。

 

管理費

「管理費」は、マンションの管理のためにマンション居住者から集めるお金で、集めたお金はマンションの維持・管理のために使われます。

また「修繕積立金」は、数年に一度行われる大規模修繕などの費用を積み立てるために集められます。

 

ローン返済だけでも大変なのに、管理費も払わなければいけないんですね…

 
 

管理費はマンションの共有部分(エントランスやエレベーターなど)の維持・管理・修繕などに用いられる大切なお金だからね。居住者である自分の利益にもなることだからきちんと払わなければダメだよ 。

 

修繕費・リフォーム等費用

マンションに何十年も住み続けることを考えると、どうしても老朽化などに対応する必要があります。

共有部分の修繕とは異なり全額自己負担になるので、計画的に修繕やリフォームを行いましょう。

 

自分の資産だからこそリフォームも自由に楽しめるけれど、お金がかかることを考えて計画的に実施 してください。

 

固定資産税・都市計画税

住宅ローンは完済すれば以降は支払う必要がありませんが、「固定資産税」と「都市計画税」は毎年支払い続ける必要があり、その税額は「固定資産税評価額」によって変動します。

 

どうしても税金を払わないとダメですか?

 
 

毎年5月ぐらいに納税通知書が税務署から送られてきて、支払わないと差し押さえをされてしまうと思います。

 

購入諸費用

マンションを購入する際には、各種手数料や税金の支払いが必要になります。

相場はマンションの購入価格の3~5%程度であるといわれています。

 

どんな支払い内容があるんですか?

 
 

『印紙税』や『登記手数料』、『不動産取得税』などが該当するね。物件価格に依存する支払いも多いから、購入するマンションの価格が高額になるほど諸費用の支払いも多くなる傾向にあるよ

 

保険料

マンションを購入するにあたっては、住宅ローンに関わる「団体信用生命保険」や、マンションそのものに関わる「火災保険」「地震保険」の保険料も考慮する必要があります。

いずれも、いざという時の負担を最小限に抑えるために必要な保険であり、特に団体信用生命保険は住宅ローン借り入れの条件になっていることも多いです。

 

『団体信用生命保険』って何ですか?

 
 

簡単に言えば『債務者に何かあった時に、残債を支払ってもらうための保険』だね。債務者が死亡、または重度の障害を負った場合にローン残債を支払ってもらえるから、ローン返済に困ることがなくなるよ。

 

賃貸する場合のコストの内訳

次は賃貸の場合の住居費の内訳ですが、 大半は『家賃』で構成されています。 あと特徴的なのは『更新料』で、基本的に2年に一度、家賃の1~2か月分を支払うことになります。

家賃

基本的に毎月支払うことになる、賃貸における住居費の大半を占める支払い項目です。また「敷金」「礼金」「仲介手数料」などの支払いも家賃の金額に依存しています。

 

家賃って賃貸中でも安くすることはできるんですか?

 
 

くわしくは後で説明するけど、周辺の住宅事情が変わるなどの理由があれば大家さんと交渉する余地はあります。

 

更新料

賃貸契約は基本的に2年間隔で更新が必要になり、その際に「更新料」を支払うことになります。更新料も家賃に依存して金額が決まり、家賃の1~2か月分を支払うことになります。

基本的に需要の高いエリアほど更新料の相場も高くなるイメージです。

保険料

賃貸の場合は、賃貸契約向けの火災保険に加入するケースが多いです。家賃について考える際には、火災保険料を月割りして考慮すると住居費を計算しやすくなります。

 

火災保険の保険料は節約の余地があるんですか?

 
 

自分で加入する保険の場合であれば、保険の選び方次第で保険料を節約することができます。詳しくは後述するけれど、デメリットもあるからよく検討してください。

 

引っ越し費用

賃貸のメリットとして「購入よりも引っ越ししやすい」ことが挙げられますが、引っ越しには当然ながら費用がかかります。引っ越し費用は基本的に「荷物量」と「引っ越す距離」によって費用相場が異なります。

購入する場合のメリット・デメリット

購入の場合の一番のメリットは、マンションという『高額な資産』を保有できることだと思います。維持には相応のコストがかかるけれど、高額な資産を持っているという安心感は大きいです。

その反面、多くの場合は住宅ローンを組むけれど、『借金』を抱えることがデメリットに感じるかもしれません。何十年という年月をかけて返済しなければならないから、人生設計を綿密にしないと家計が苦しくなる可能性があります。

メリット

「資産」を保有できる

最大のメリットは「マンションという高額な資産を保有できる」ことです。

住宅ローン返済中は担保になっているため不安は残りますが、住宅ローン完済後は資産として手元に残ります。

子どもに相続させるも良し、老後資金のために売却するも良し、相応の資産価値があるマンションを保有していることは人生におけるさまざまなメリットになります。

 

住宅ローンを完済すれば老後の安心感にもつながるから、そこまで見据えてマンションを購入するという人も少なくありません。いざとなったら売ればまとまったお金に変えることもできます。

 

将来設計を組みやすくなる

マンションを購入する場合、今後数十年は住宅ローンや管理費、固定資産税等の支払いがほぼ固定化されます。金額が前もってわかっているので、住居費をほぼ固定して将来設計を組みやすくなります。

 

将来かかるお金の一部がほぼ固定化されることによって、他の将来的な支出を考えやすくなります。人生におけるさまざまなイベント、例えば『子供の教育費』や『老後の資金』などを考えるときに不確定要素を減らせることになります。

 

住まいを変えずに住居費の節約ができる

賃貸の場合、住居費の大半を占める「家賃」を何とかしないと住居費の節約につながりにくいため、場合によっては引っ越しを視野に入れなければなりません。

一方で購入の場合は住居費の大半を占めているのが「住宅ローンの返済」になるわけですが、これは「繰り上げ返済」という手段を使うことで返済の負担を減らすことができます

例えば「ボーナス」や「遺産相続」などでまとまったお金が入った時に住宅ローンをその月の返済額以上に返済することで、最終的な利息の総額を減らすことができます。

住まいを変えることなく住居費を大幅に節約する余地があるので、生活環境を変えることなく住居費にアプローチできることになります。

デメリット

住宅ローンという「借金」を抱えることになる

住宅ローンは、いわば「借金」です。

しかも最大で35年クラスの長期的な返済が必要なほど多額のお金を借りるわけですから、人によっては「借金を抱えている…」という重圧が負担になることもあります。

金利は一般的なキャッシングほど高くはないのですが、借入額と返済期間が長いため、完済時には利息だけで1000万円を越える金額を支払っていた、なんてケースも珍しくありません。

初期費用が高額

マンションを購入する際には、印税や登記費用などの初期費用がかかります。

相場ではマンション購入価格の3~5%程度になりますが、購入価格が基本的に数千万円の世界になるので、初期費用だけで数百万円の費用がかかるケースが多いです。

 

賃貸の場合は基本的に『敷金・礼金』や『引っ越し費用』だけになるから、数十万円で済むケースが多いと思います。

 

資産価値は急落する可能性もある

マンションを購入するメリットとして「資産が残る」ことについて触れていますが、その「価値」については安心しきることはできないのです。

マンションに限らず、資産の価値は何らかの理由で変動するものですが、マンションについては経年劣化による価値の下落の他にも「暴落」するケースが考えられます

価格は基本的に「需要に見合った価値」となりますが、マンションの需要は年々減少傾向にあります。

投資目的で建てられたマンションを投資家が一気に手放せば、供給過多となり、高額なマンションほど買い手が付きにくくなります。

2008年のリーマンショックの時など、いざ手放そうと思ってもなかなか買い手がつかず、売却するために大幅に値下げしなければならないこともあります。

 

マンションの価格が購入後に上昇することってないんですか?

 
 

もちろん、あります。例えば『近隣に駅ができた』みたいに住居としての利便性が向上したり、低金利政策などで金利が安くなってみんなが不動産を購入しようとすると価格が高値で推移することもあります。

 

賃貸時のメリット・デメリット

 

賃貸時のメリットは ライフステージに合わせて、住居費に見合った部屋に引っ越しやすいところと思います。例えば『子どもが大きくなったから、広い部屋に引っ越したい』とか『子どもが独立したから、夫婦で家賃の安いところに引っ越す』とかです。

 
 

半面、賃貸は購入と違って『資産』が何も残らないところがデメリットでしょうか。老後のことを考えると資産が残る方が安心できますので。

 

メリット

ライフステージに合わせてお部屋に住み替えができる

賃貸の最大のメリットは「身軽さ」であり、ライフステージに合わせた住み替えがしやすいのが特徴です。

例えば「子どもが大きくなったから、駅近くで広い部屋に住み替えたい」とか「子どもにかかるお金のことを考えて、郊外でもいいから広さと家賃の安さを両立した部屋に住み替えたい」、「子どもも独立したし、老後のことを考えて狭くてもいいから夫婦で家賃の安い部屋に住み替えたい」などの希望があると思います。

一度マンションを購入してしまうと引っ越しが難しくなるため、家賃やその他の需要に合わせて引っ越しやすい賃貸は身軽であり、住居費のコスト面でもメリットがあります。

 

部屋を変えれば『家賃』も変わるから、家賃がライフステージに見合わないものになったら最適な家賃の条件を満たす部屋に住み返しやすいのは確かに気軽だね。

 

家賃は交渉可能である

賃貸の住居費を左右する最大の要因は「家賃」ですが、通常は家賃を変えるためには住まいそのものを変えなければいけません。

しかし、条件次第では大家さんと「交渉」することにより、家賃を安くできる可能性があるのです

例えば以下の条件が発生した場合には、家賃交渉の余地があるといえます。

家賃の値下げ交渉ができるケース
  • 高層マンションやビルが建ったことにより、日当たりが悪くなった
  • 近隣の商業施設が撤退して、生活の利便性が低下した
  • 近隣にパチンコ店などの娯楽施設が建ち、騒音などで生活環境が悪化した
  • 電車やバスなど、周辺の公共交通機関の利便性が悪化した

 

大家さんは家賃交渉に応じてくれますかね?

 
 

条件次第と思います。長く住んでいる、大家さんとの関係が悪くないなどの条件があれば成功率はある程度高くなると予想できます。大家さんや管理会社が変更になったとか、賃貸の更新時期である等の条件もあるとなお良いです。

 

住居費を構成する要素の大部分が「家賃」だからわかりやすい

賃貸の住居費の大部分は「家賃」で構成されています。そのため、家賃の変動がそのまま住居費にダイレクトに反映するため、住居費について考えやすいともいえます

購入する場合はローン返済の他にも各種税金やリフォーム費用など、さまざまな支払いについて考える必要があるので、試算する際にも手間がかかってしまいます。

デメリット

資産が残らない

賃貸の最大のデメリットは「資産が残らない」ことです。購入する場合はローンを完済すればマンションが資産として手元に残りますが、賃貸の場合は何の財産も残すことはできなくなってしまいます。

 

何年住み続けようとも、あくまでも『借りているだけ』となります。もちろん、資産は不動産以外にもあるから、何の資産も残せないわけではないですが。

 

家賃次第で住居費が大幅に高額になる

賃貸の住居費は、その大半が「家賃」で構成されています。家賃が1万円変われば年間で12万円、5万円変われば年間で60万円も住居費が変動することになります。

引っ越しすることで家賃も変えられますが、引っ越し費用がかさみますし、そう頻繁に引っ越すのもコストパフォーマンスが悪いです。

引っ越す際には家賃について念入りに検討し、自身のライフステージと将来設計に見合ったものであることを、しっかりと確認しておく必要があります。

 

家賃は賃貸に住み続けている限り、ずっと支払い続ける必要がありますもんね。

 
 

購入する場合と比較して引っ越しのしやすさはあるけれど、実際に何度も引っ越していたら引っ越し費用だけで何十万円・何百万円とかかってしまうからね。家賃は賃貸の物件選びで重要なポイントの1つだってことが良くわかるね

 

減税の恩恵を受けられない

賃貸の場合、「住宅ローン減税」や「すまい給付金」のような措置を受けられません。

購入する場合はこれらの恩恵を住居費の計算に含めることができますが、賃貸ではこうした住居費節約になる措置は受けられません。

 

『勤務先の家賃補助』『自治体の家賃補助』などの形で補助を受けられるケースもあるけれど、常に受けられるわけではないからね。利用できる制度があれば利用したいけれど、基本的に何もないと考えるべきです。

 

購入と賃貸、どっちがお得?

事務員

「結局、購入と賃貸だと、どっちがお得なんですか?最初に行った計算だと大して違いがなかったように思えますけど…」

編集者

「『お得』というのを『住居費の安さ』だけで考えると、結局はケースバイケースになってしまうからね。コスト面以外のお得さについても考慮すれば、ライフステージや将来設計に合わせた住み方をするのが一番だね。」

〇若いうちは賃貸でも問題ない

若い年代であれば、「賃貸」で暮らしても大きな問題はないといえます。

前述のとおり、賃貸暮らしには「引っ越ししやすい気軽さ」というメリットがあり、若い世代であれば「転勤」などで引っ越さなければならない機会も多くなるでしょう。

参考:「企業における転勤の実態に関する調査」調査結果の概要

また、マンション購入にあたっては「頭金」を用意する必要もあり、ある程度働いてお金に余裕ができてから購入するのも悪くありません。

事務員

「若いうちは賃貸暮らしが気軽なんですね!」

編集者

「働き続ければ給料も増えるから、住宅ローン返済も楽になるだろう。それまでは賃貸で家計の負担を抑えつつ、将来のマンション購入を見据えた貯金を進めていくというのもアリだからね。」

〇老後を考えると購入を視野に入れたい

マンション購入の最大のメリットは「資産を手元に残せる」ことであり、特に老後の生活について考えると、安定した住まいとまとまった金額になる資産を保有できることは大きな安心感を生み出すことになります。

問題点としては、ある程度の年齢になってから住宅ローンを組んでしまうと完済頃には高齢であり、例えば40歳でマンションを購入して住宅ローンを35年返済で組んだ場合の完済時期は75歳になってしまいます。

必然的に、相続相手となる子供や親族をローン返済に巻き込んでしまうことになるので、住宅ローンを組んでマンションを購入する際には数十年後の将来をしっかりと見据える必要があります。

事務員

「マンションを持っていれば、老後も安心ですね!」

編集者

「そうとも言い切れないけれどね。数十年後の世界の話なんて誰にも正確に予言することはできないから、何が起こるかわからないよ?マンション価格が暴落したり、マンション自体に何か重大な問題が生じることもあるからね。だからこそ、将来の不安を少しでも払しょくできるように、高額な資産を保有しておきたいという気持ちも生まれるんだけれどね。」

〇住居費を少しでも節約するためには?

◎住宅ローンは「頭金」をしっかりと用意する

住宅ローンを借りる際には「頭金」の存在が極めて重要になります。

頭金を用意することで、以下のメリットがあります。

・借入額が少なくて済む

・借り入れの条件が優遇される可能性がある

・住宅ローンの審査に通りやすくなる

借入額が少なく、場合によっては金利を減らして借り入れできる可能性もあります。

最低でも物件価格の1割、できれば2~3割ほど用意しておけば、住宅ローンの返済の負担を抑えられます。

事務員

「頭金を用意しておくと、さまざまなメリットがあるんですね!」

編集者

現在は頭金なしでも借りられる住宅ローンもあるけれど、必然的に返済総額は大きくなるからね。まとまった金額を用意することは難しいかもしれないけれど、できるだけ多くの頭金を用意しておきたいね。」

◎住宅ローンは「繰り上げ返済」を積極的に行う

住宅ローンの返済期間はどうしても長くなりがちですが、可能な限り「繰り上げ返済」を行うことで返済期間を短くできます。

繰り上げ返済することで完済までの期間が短くなるので、利息の負担を減らすことができます。

貯金、またはボーナスなどの突発的な収入でまとまったお金が用意できたら、積極的に繰り上げ返済したいところです。

マンション及び住宅ローンの贈与・相続を考えているのであれば、譲渡相手の住宅ローン返済の負担を抑えることができます。

事務員

「繰り上げ返済すると、どれくらい負担が減るんですか?」

編集者

「繰り上げ返済の金額やタイミングにもよるけれど、たとえば最初の計算(2,600万円の住宅ローン)で借り入れから10年後に300万円の繰り上げ返済を一度だけすると、返済期間は4年以上繰り上げ、利息負担は150万円以上減らすことができる計算になるよ。」

◎賃貸は適切なタイミングで家賃交渉する

賃貸の場合は家賃が住居費の大半を占めるため、家賃交渉で家賃を減額できれば住居費の負担を大幅に減らせる可能性があります

その際、適切なタイミングがあり、以下のタイミングだと家賃交渉しやすくなる可能性があります。

・引っ越し需要の少ない4~5月

・賃貸契約の更新時

・大家さんや管理会社が変更になった

・周辺の住環境が大きく変化した

事務員

「交渉って、なんだか緊張しますね…」

編集者

交渉時の精神的な負担を減らすためにも、日ごろから大家さんとは良好な関係を持っておきたいね。あと、家賃は遅延なく支払っておくこと、家賃を滞納する人にはあまり良い印象を持てないからね。」

◎賃貸はライフステージに合わせた住み替えを

賃貸のメリットである「引っ越しやすい気軽さ」を活かすことで、家賃を大幅に減らすチャンスがあります。

例えば家賃を3万円減らすことができれば、年間で36万円の住居費節約になります。

引っ越しにも費用がかかりますが、数万円単位で家賃を減らすことができれば1年前後で元をとることができるはずです。

家族構成やライフステージの変化に合わせて、引っ越しのタイミングを図ってください。

事務員

「引っ越し費用の節約も考えたいですね!」

編集者

「その通り。引っ越し費用も業者選びなどを念入りに行えば、数万円単位で節約する余地があるよ。」

◎不要な条件で家賃を損していないか念入りに検討する

家賃の高さは、住宅の立地や設備、周辺の住環境によって異なります。

住みやすい環境であるほどに家賃相場も高くなりますが、すべての条件が揃っている必要はないといえます。

例えば「駅から近い」のは電車を利用するのに利便性が高いですが、電車を使う機会が少なければ必須の条件とはいえません。

好条件であるほど家賃相場は高くなりますが、捨てても良い条件まで満たして家賃を高くする必要はありません。

もちろん、家賃を安くするために全ての利便性を犠牲にする必要はありませんが、不要な条件まで含めていないかどうか確認することは重要です。

事務員

「犠牲にすべき利便性は、どのように考えるべきでしょうか?」

編集者

「その人のライフスタイルやライフステージにもよるね。電車を使う機会の多い時期であれば駅近くの物件は好条件だけど、電車を利用しなくなったら必ずしも必要な条件とはいえないね。引っ越すにあたって、今までの生活で不要と感じた条件があれば、引っ越し先の物件選びの際に参考にしたいね。」

◎保険は適切な内容に

例えば賃貸の場合、大家さんから火災保険への加入を勧められますが、大家さんが提示した火災保険以外に加入できるケースもあります。

保険内容や保険料を自分で調整できるため、支払う保険料を最小限に抑えられます。

ただし、自分で加入する保険の場合は大家さん提示の場合と異なり、きちんと更新しないと保険契約を終了されてしまう可能性があります。

その他、地震保険などの住居系の保険については、保険内容が十分な範囲でできるだけ保険料を抑えられるように、内容をしっかりと考慮してください。

事務員

「保険料も馬鹿にはできませんよね。」

編集者

「保険は『いざというとき』のために欠かせないけれど、不要な内容で不要な保険料まで支払う必要はないよ。大家さんや保険会社の人の言うことを鵜呑みにするのではなく、本当に自分にとって必要な保険内容であるかどうかを精査することが重要だね。」

■まとめ

マンションを購入する場合と賃貸する場合で、住居費だけをみて「どちらがお得か?」を判断することは難しく、ケースバイケースでどちらが低負担になるかは異なります。

購入は資産になる一方で引っ越しが気軽に行えず、賃貸はメリット・デメリットが逆になります。

ライフステージを考えて購入か賃貸かを選び、その上で住宅ローンの組み方や返済方法を考え、家賃などを考慮した物件選びをすることが、お得にマンションに住むために必要な行動となります。

 

 

 

多くの人が暮らすときには必ず考えるずっと悩まれてきた問題ですね。様々なメディアで取り上げられている問題の1つです。マンションは賃貸を借り続けた方がお得なのか、それとも買ってしまった方がお得なのか。生涯ずっと払っていくものですから絶対安く済む方がいいですよね?

そこで今回、あなたのライフスタイルを考えたときにどちらの方がコスト面でお得なのかを賃貸と購入の2つの面から紹介致します。是非参考にしてください。

賃貸と購入のそれぞれの特徴

まず初めに、賃貸と購入の違いが分からないとどちらがいいかなんて分かりませんよね。なので、2つのそれぞれの特徴を紹介致します。

賃貸  
・初期費用が安い ・購入の場合、登録費用や手付金などで数百万という初期費用が必要になります。それに比べ賃貸の場合は、敷金・礼金が家賃とは別にかかりますが、かかっても精々数十万程度なのでまとまったお金が用意出来ない時はとても助かりますね。
・設備のメンテナンスを大家さんが代わりに負担してくれる ・賃貸の場合は、住めば住むほど劣化してしまうものですが、その際の修繕費やリフォーム費用の負担がありません。それだけでなく、固定資産税も大家さんが負担してくれます。
・ライフスタイルに臨機応変に対応できる ・これが一番のメリットと言えるでしょう。勤務地が変わった、子供が出来たので部屋数を増やしたい、このようなライフスタイルの変化に対して臨機応変に対応することが賃貸なら出来ます。
・家賃の支払いが住み続ける限り必ず必要になる ・購入の場合は、支払いが終われば問題ないが、賃貸の場合は住み続ける限り必ず家賃の支払いが必要になります。今月は子供の授業料を払わなければならないのでお金がない、などの事態に陥ったときにとても重要な問題になってきます。
・資産として残らない ・もちろん購入ならば、それは資産として残るので自分の子供などに引き継ぐことが出来ます。それに比べ、賃貸の方はあくまで借りている状態なので資産になることはありません。もしあなたが子供のために資産を残したいと思うならしっかり考えるべきでしょう。
・物件に何か手を加える場合は大家さんの許可が必要になる ・購入なら許可などはいらないが、賃貸はあくまでも借りている状態なので許可が必要になります。リフォームや部屋の構造を変える行為は基本的には自由ではないので気を付けましょう。
購入  
・価値が変動する可能性がある ・購入にすることに関してこれが1番気にするべき問題でしょう。購入するわけですからもちろん資産になります。その際に、価値がとても重要になってきます。購入したときの価値で売れるわけではありません。なにかのきっかけで価値が下がってしまうことがあります。なので、購入する際は慎重に冷静な判断をするようにしましょう。
・資産として残せる ・購入のこれが最大のメリットになるでしょう。自分の子供などに資産を残すことが出来るので安心感があります。
・初期費用がとても高い ・購入の場合は、初期費用が数百万かかってしまいます。この資金の用意がとても大変です。
・自由にカスタマイズが出来る ・賃貸では出来ない部屋のカスタマイズが、購入なら可能になります。部屋を増やしたり、リフォームしたりなど、自分の思うがままに出来るのが購入ならではですね。
・支払い保障がある ・もしリストラや、会社の倒産などで収入がなくなってしまったときに支払額の軽減の相談が可能です。住宅ローンを組む際に、「団体信用生命保険」に入ることも可能です。これは支払い者の死亡や障害などで支払いが難しくなったときに、代わりに生命保険会社が支払いを保障してくれるものです。
・住宅ローンの支払い以外にも様々な費用が発生します ・住んでいる間に劣化してしまった時の修繕費や、固定資産税などが全て自分負担になります。これに関しては、住宅ローンを支払い終わってからもずっと払わなければいけないものなので気を付けましょう。

いかがでしょうか?マンションの購入の場合は他にも駐車場代などもかかってしまい費用が高くなります。賃貸と購入はそれぞれにメリット、デメリットがあることがわかります。

 


じゃあ私は資産を残したいし、購入がしようかな~

 
 

まだだめ!購入するときには他にもまだ気を付けなきゃいけないことがあるんだよ。

 

金利の変化と価格によってコストが変わる

購入する際に、金利と購入価格はとても重要な問題になります。マンションの価格はなにかの影響を受けて変動しますし、新築や中古などでも変わってきます。現在は来年のオリンピックや少子高齢化の影響を受けて新築マンションの価格が上がっています。

新築マンションは購入価格が1番の価値の最高額になるので、当たり前ですが住めべ住むほど価値は下がっていきます。その点中古に関しては価値が一気に下がることはないので、お金のことを考えたら現在は中古の方が良いかもしれません。

金利も同じように動向を把握しておいた方が良いです。価格と同じように金利も様々な影響を受けて変化します。金利が少しでも変化すればそれは場合によってはトータルの返済額を数百万も変える大きな変化になります。現在はかなりの低金利なので購入する人はとても良い状況と言えます。

 

購入は、修繕費とか金利とかもかかってくるなら賃貸の方がお得じゃん!資産だって価値が下がっちゃうし…

 
 

そうとは限らないんだ。賃貸と購入には支払いに大きな違いがあるんだよ

 

家賃と住宅ローンの支払いの違い

家賃と住宅ローンは同じお金を払っているようで実は意味は大きく違っています。家賃は基本的に不動産会社や大家さんに家を貸してもらうために払うものです。

それに対し住宅ローンは、購入しているものなので言い方を変えれば借金を払っていることになります。

もし家賃と住宅ローンの支払いを同じ値段の15万にした場合、家賃はそのまま15万のただの支払いです。住宅ローンの15万はそこから金利を引いた分を自分の資産に変えていることになります。なので、同じ15万の支払いでも購入の方はしっかり意味のある15万なのです。

実際にどっちがお得なのか

マンションの賃貸と購入の特徴を理解したところで、実際に計算をしてみたいと思います。

賃貸の方の家賃と住宅ローンの返済を10万に合わせます。

まず賃貸で50年暮らしていくとします。賃貸でかかってくるお金は

・家賃

・更新料

・駐車場代(マンションに限る)

・管理費

おおよそ7000万程度になります。

購入の場合は35年を返済期間と考えたときに

・マンションの価格

・ローン利息

・管理費

・購入時の費用

・駐車場代(マンションに限る)

・固定資産税

・リフォーム費用

・修繕費

・住宅ローンの減税

利息にもよりますが、おおよそ6000万程度になります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?賃貸と購入のそれぞれの特徴が分かったと思います。計算上は購入の方が安くなりましたが、その分その家にずっと住み続けることになりライフスタイルの変化の対応が難しくなります。資産価値なども突然下がってしまったりするので一概に購入が絶対良いとはいえません。なので、お金もそうですが自分の生活のことも考えてもしかしたら一生お世話になるかもしれませんので、慎重に選んで後悔なく住んでいただけたら幸いです。